2007年09月21日(金) [過去の今日]
#1 dankogaiを見てホンダがF1で勝てない理由をめぐらせる
黙って引っ込んでいられなくなった玄人 という記事。まあ、 俺の記事 が引用されて、というか論に利用されてる記事なんだけどさ。
これを見てちょっと考えこんだ。dankogaiさんが言うように、確かに時代の流れ的には「職人も人あたりよく」なわけよね。そういう流れだってことは否定しない。俺が否定したいのはその流れ自体。
で、何を考えこんだか。
ちなみに「ホンダディーラー方式」というのは、そこでは営業よりもメカニックの方が丁寧な接客をしているから。前に乗っていたのがホンダだったのだが、このギャップには妻ともども苦笑させられた。
(中略)
実際、医療スタッフの「ホンダメカニック」化は著しい。目上口調で話す医師はかつて珍しくなかったが、今やなかなか目にしない。
って部分ね。
俺は前の記事でこう言った。「技術で食うってのはそういうことじゃない」と。そしてdankogaiさんのこの記事をみて、その考えを深めた。
だってね、俺けっこうF1ずっと見てるんだけどさ、ホンダはダメダメだもん。
昔の「技術のホンダ」はどこいったのよ。 コンストラクターズ争い で8位よ、8位。全11チーム中8位。エンジン提供してるスーパーアグリF1のほうが速いでやんの。80年代から90年代初頭にかけての「ホンダでなければ勝てない」ほどの圧倒的強さはどこいったわけよ。
前の記事にも「礼儀正しくて腕のいい職人はいる」とかそういう反応もらったけどさ、ホントにそうかな、って思うんだよね。ひとつ道を極めるって、そういうことじゃないんじゃないの。dankogaiさんの言う医療にしたって、「本当にいい医者が少なくなったね」って言われてたりしてない?
接客だの礼儀だの言う前に、本業である腕をないがしろにしてたら意味が無い。ある種の毒の無い奴に、本当に技術を磨くことができるのかってことなんだよな。
そういう毒のカタマリみたいなdankogaiが言うか?という気もするしなあ(本日の「お前が言うな」かな? それとも偏見かしら?)。
空気が読めて人あたりがよくて接客もうまい腕のいいエンジニアがいてもいいよ、そりゃ。でもそれを押しつけちゃダメだと思う。
エンジニアは毒があろうと空気が読めなかろうと、その腕をもって黙らせる。それができなきゃ食ってなんていけないんじゃないか。
俺はそう思うんだよね。
ホンダも接客上手になんかなる前に、あの最強の姿をきっちり見せて欲しいわ。現代F1でそれが難しいってのはわかるけど、技術のかたまりである車で競争する以上、F1で負けるのは技術で負けるってことなんだから。
(@643)
2007年09月22日(土) [過去の今日]
#1 たまには男性から見た結婚相手の条件も見てみろよ
“仕事もでき、家事も分担” 結婚相手は「ハイブリッド男」が一番!…既婚読者の声で判明 という記事。 元ネタはこっち か。
2chのコメント見てても思うけど、ホント都合のいいことばっかり言ってるよなあ。
で、まあ当然逆も考えてみよう、という男心くらい許されるよね?
- ヤギ女の特徴
- 仕事はできなくてパート程度
- 家事はちゃんとやる
- 男を立てるという古風な面あり
- トラ女の特徴
- 男らしさ、女らしさにこだわらない
- 仕事中心主義で年収も高い
- 家事は苦手。インスタント中心
- 結婚相手は一緒に生きるパートナーという認識
- ハイブリッド女の特徴
- ヤギ女とトラ女の中間
- 仕事もでき、家事もそれなり。手抜き料理が上手
- 男を立てるところは立て、協力するところはする
- トラ女が成長し、ハイブリッド女になることも
はてさて。たぶん人気はヤギ女になるんだろうけど、実生活面を考えると女性の収入もあてにしたいからトラ女、でも家事ができないのは困るからハイブリッド女がいいわよねー、という感じ?
結局まあ一緒か。ハイブリッドってのは自分にとって都合のいいところ取りって事だものな。
元記事の流れでいくと、トラ女をつかまえて家事を教えたりしてハイブリッド女に育てていこう、とか、ヤギ女の対処法とか、そういう話になってくんだけども……。
トラ女はどう考えても男の言うことなんて聞きやしないだろうし、ヤギ女は仕事できるようにするなんて無理だからナンセンスもいいところだな。
実際のところ昨今の社会状況から考えても、年収300〜350万程度の男性と結婚する事はリアルな話。子育てなんかも考えると女性にもそれなりの収入が必要だよな。
チャットで誰かが言ってたが、女性は28歳くらいまでに子供を産んでしまうと楽だそうだ。子供が小学校にあがって手がかからなくなった頃35歳になり、再就職のクチがだいたい35歳くらいまでだから、とのこと。
というわけで現代における男性から見た現実的な結婚相手というのは、
- 27歳以下
- 年収300万以上
- 家事も分担できる程度にはやれる
- 顔とスタイルが良ければなおOK
ってところかね。
どうよ、都合がいい話だろ?
(@553)
#2 あんまり著作権云々うるさいとかえって面倒なことになる例
数ヶ月前に思い付きで半日くらいで作った GURL なのだが、ちょびちょびと使って頂けてるようでありがたい限り。
それでGURLの使い方の例としてなんかいいワードねえかなあと試してたら、こんなのものを見つけた。
ふと見るとなんの変哲も無い検索結果にも見えるかもしれないが、よくよく見ると大半がユーザーの作った同人誌やフラッシュ、ウェブ漫画などの画像。オフィシャルなコンテンツは2位に1個あるくらい。
フィギュアやおもちゃの商品画像がたまにまじってはいるけど、それでも上位の大半がユーザーコンテンツってのはどういうことよ。
これがまたオタク向けのアニメとかならわかるんだけどさ、ドラえもんだよ、ドラえもん。国民的なキャラクターじゃん。それでオフィシャルコンテンツががっつりひっかからないってどういうことよ。
そのうち外人とかが「ドラえもんってどんなキャラクターなんだ?」とか思って画像検索してみて、なんか口から大砲出して発射してるドラえもんとか見て、「わーお、ドラえもんは強力な破壊兵器なのね! このMANGAはバイオレンスだわ!」なんてことになったらどうすんのよ。
そういうコンテンツを探しては消させるなんて不毛なことするより、自分自身がきちんとコンテンツ出して検索エンジンのヘルプにある程度のSEOはきっちりやる。その方が建設的なんじゃね。
あんまり著作権云々うるさく言ってると、ユーザーが作った8頭身ドラえもんとかが1位になっちゃうんじゃね? それも著作権違反で訴えるつもり?
(@714)
2007年09月26日(水) [過去の今日]
#1 猛烈な数の意見をもらうということ
何年もこうして日記を書いてると、ときおりものすごい数の意見をもらうことがある。実にありがたい事だと思う。おかげで俺の思考は深まり、知識は増大していく。脳味噌がどんどんやわらかくなっていく。そうして得たものは、日常生活や仕事の中に活かされている。こんな素晴しい機会を得られるなんて、夢にも思わなかった。
そういう大量の意見がもらえるのは、リンクしてくださる個人ニュースサイトのみなさんの力が非常に大きい。リファラを見る度に感謝の気持ちでいっぱいになる。おもしろいと思ったから載せただけ、と言われるかもしれないが、そう思って頂けるならなおのこと嬉しい。
そういった広めてくださるサイトを中心に、増えたインターネット人口、はてなブックマークのようなコメントを書きやすい場所の出現とあいまって、本当に何十何百という人の意見を頂けるようになった。なんともありがたく、嬉しい時代になったものだ。
しかし、そうなると、ある程度確率の話になる。
ある一定の割合で、文章が読めてない人が現れる。読み違えたまま怒ってたりする。自分の文章力が足りないのかとも思うが、どこをどう読んだらそうなるのかさっぱりわからない事も多い。
ある一定の割合で、あんまり別の角度からの意見すぎて無関係な話になってる人がいる。もちろんそういう見方も必要なんだろうけど、それまで一緒に語ると本当に別の話になってしまう。
もちろん同じように、一定の割合でうなずいてくれる人、すばらしい批判をくれる人、はっとさせられる意見をくれる人たちもいる。
それらは俺のエネルギーになり、また深く考え、またそのうち記事を書くときに俺に大きな影響を与えてくれる。
そこではたと思うのだ。「すばらしい批判・はっとさせられる意見」と、「読み違えてる人・別の角度すぎる人」を、俺はどう見分けてるのだろうかと。
もしかして見分けまちがいをしてるんじゃないかと。
昔は頂ける意見自体が少なかったから、そんなことを考えることも無かった。だいたいひとつのサークル内であったりコミュニティ内であったりして、その小さな世界の合意に合致してるかどうかという程度の意見しかもらえなかった。だからいろんなコミュニティと繋がってる「ちょっと顔の広い人」は、それなりに深い知見を持っていた。そういう人に確認を取って、自分の判断を補強できた。
でも、今はそういう「ちょっと顔の広い人」なんかよりずっといろんな人から意見をもらえる。まだ「インターネットユーザー」という属性の偏りが多少残ってはいるが、それも日に日に薄まっている。
そうなるともう、頼りになるのは自分の嗅覚だけだ。でもその嗅覚が正しいなんて誰も保証してくれない。
だから俺は「これは違うなあ」とか「違和感があるなあ」と思う意見も、とりあえず「自分の中に入れる」という事をする事がある。その違和感はくすぶったままで、たいていはすぐ「忘却」によって消えて行くのだけども、たまにその違和感が新しい何かを生み出してくれることがある。
そのために、やはり一度は「自分の中に入れる」というのをずっとやり続ける必要があるんじゃないかとも思うのだ。多少、消化に時間がかかったとしても。
(@054)
#2 無線LAN導入したのはいいが、世の中WEPしか使えない機器が溢れすぎ
どエス(Advanced/W-ZERO3[es])も手元にあるし、もう4日くらい出荷準備中のままとはいえもうすぐiPod touchも来るし、無線LANが使える機器が増えて来た。
ということでうちにも無線LANを導入することに。
しかし、どエスではけっこうすぐ繋がったのだが、ノートPCのほうで繋がらない。どうやら内臓のNICが壊れてしまってるっぽい。
しょうがないので中古屋でPCカードのNICを買ってきてみたのだが、これがどうやらWEPにしか対応してないらしい。ドライバは今年8月に新しいの出てるのに。
よく調べてみると、任天堂のDSもWEPにしか対応してないんだと。
うーん、WPAで繋がるのはどエスだけになっちまったか。
まあDSは子供たちが来たときに少し使うくらいだし、ノートは別に有線でも困らないし、いいといえばいいのだが……。
単純なアクセスラインとしてしか使わないのであればWEPでも被害はそう無いから気にしなくてもいいような気はするのだが、LAN内への侵入が可能になってしまうと話は違って来る。もう1セッション空いてればLANとは独立させて、自宅LANへのアクセスはVPNなりなんなりで認証、でもいいんだけどなあ。
ADSLでも引っ張って来て FON でも繋いだ方がよかったかな……。
(@738)
#3 iPhone/iPod touch向けのLivedoor Reader Liteはどエスで使ってもいい感じ
iPhone/iPod touch対応の「livedoor Reader lite」 という記事で発表された LdR Lite だが、これがどエス(Advanced/W-ZERO3[es])で使ってもいい感じ。Xcrawlですりすりと読み流せる。
これでピンに対応してくれたら日常的に使えそうだなあ。既読にしちゃうオプションも欲しいな。
しかし、ログイン画面が通常のライブドアアカウントのログイン画面なのが頂けない。モバイル版のLdR同様に、小さい画面でもログインしやすいページを作って欲しいな。
(@811)
2007年09月27日(木) [過去の今日]
#1 iPod touchはどうやら不具合修正してから発送する気の様子
刻印入りモデルを注文してしまったために、6日早朝の注文にも関わらずまだ手元にとどかないiPod touch。
しかし、どうやら先週日曜日に届いた人たち以外は届いたという話をとんと聞かない。
2chのスレ を見てるのだが、発送準備中になる人はいるのだが発送されたという人が皆無。
やはり例のWindowsで動かなくなる不具合の修正を出してから届くようにするためだろうか。
でなければ発送準備中のまま3日も4日も待たせたりはしない……よねえ?
あーもう、せっかくいつ届いてもいいように対処法もまとめて準備完了だってのに。早く触りてえ。
今週中にはアップデートを出すっていうから、今日明日にはiTunesが更新され、発送もされるのかな。もおーいーくつねーるーとー♪ あーいーぽーおーっどー♪
はーやーくぅこーいこーいあーいぽーおっどぉー♪(;_;)
(@276)
#2 iPod touchの刻印入りモデルは出荷延長の様子?
アップルストアがリニューアルということでしばらく見れなかったのだが、復活してたので例によって6日朝に注文した iPod touch の出荷ステータスを確認。まあどうせ出荷準備中なんだろけど……。
ご注文番号: W54114*** ご注文受付日時: 2007/09/06 07:44 AM JST IPOD TOUCH 8G PERS-JPN 出荷予定日: 2007/10/10 - 2007/10/15 お届け予定日: 2007/10/16 - 2007/10/19
え?
9月28日出荷、お届け予定日10/4だったのに、なんでこんなことに……
いまのところアップルストアから遅れるというメールも来てない。なんだかなあ、もう……。
Appleという会社は熱狂的な狂信者に支えられてるメーカーなので、一般の企業に比べたらサポートや体勢が甘くなるのはしょうがない。ユーザーに甘やかされてる企業だからね。
それにしても刻印入れたか入れなかったかだけで3週間も届くのに差が出るってのはどういうことよ。しょんぼり過ぎるだろ、いくらなんでも。
(@894)
#3 そういえば「大和魂」という言葉を聞かなくなった
ふと、吉田松蔭の辞世の句を思い出した。実はけっこう好きな句で、はじめて見たのは確か、武田鉄矢・小山ゆうの お〜い!竜馬 であったか。
身はたとひ 武蔵の野辺に朽ちぬとも 留め置かまし大和魂
この和歌で最も重要なのは、やはり「大和魂」という言葉だろう。この言葉の意味がダイレクトに伝わってこなくては、歌の意味がさっぱりつかめない事になる。
ただ、正直言うと、今の自分がこれを見ても、大和魂の言葉が伝わってこない。
昔は「大和魂を忘れるな」という感じで自己を保つ芯のようなものとして使われていたと思うのだが、今の日本人には日本人であるという意識が必要無いのだろうか。
Wikipediaの大和魂の項目 の記述が興味深い。
その後、大正・昭和と下るに連れて、日本のナショナリズム・民族主義が強まっていくと、大和魂の語には日本への強い意識が込めらるようになった。国家への犠牲的精神とともに他国への排外的な姿勢を含んだ語として、用いられたのであり、大和魂が元々持っていた「外来の知識を摂取して、柔軟に応用する」という意味と正反対の受け止められ方をされていた。こうして、大和魂の本来の姿を見失った日本は、第二次世界大戦で亡国寸前の敗北を喫することとなった。敗戦後、大和魂の語は軍国主義に結びつくものとして忌避される傾向にあり、また、本来的な意味に着目されることも少なくなった。
なるほど、確かにそうやもしれぬ。
そもそも勇猛たらんとするには、今の時代は危険すぎる。勇猛な者ほど早く命を落す。事件に巻き込まれる。
日本人は第二次世界大戦で戦うことの愚かさを学んだ、と俺は思っている。戦わないことの素晴しさ、平和を愛する心というのは、確かに重要だと俺も思う。
だが、かといって戦う覚悟が無くていいというわけじゃない。江戸時代の武士たちは、太平の世の中で堕落していったわけじゃない。常に自分を鍛え、いざという時には腰の刀を抜く。そういう覚悟があるからこそ300年もの平和を保てたのだろうし、明治維新によってその後数十年であっという間に世界の5大国に数えられるようになれたのだろう。侍という存在に世界中の人々が魅了されるのも、そういう所があるからではないか。
「大和魂」という言葉は死語になったかもしれない。だが、それが表す日本人の美徳は、まだ我々の中にある。もう一度「大和魂」を見つけ直し、日本人の矜恃というのを取り戻す必要があるんじゃないだろうか。
それは何も武力の話だけではなく、漫画やアニメ、工業製品、ひいてはプログラミングにだって言えることじゃないか。
英語が重要だという話をすると、「母国語を捨てて英語になればいいとでもいうのか」みたいな反応を返す人がいる。それは大和魂の欠落を意味してるのだと、俺は思う。
たとえどれ程外来の知識や技術や言葉を身につけようとも、自分は自分、日本人は日本人であることに変わりは無い。どこにいて何をしてようと、自分が自分であることを思い出させてくれるもの。それが日本人にとっての大和魂なのだと、俺は思うのだ。
(@910)
#4 矜恃・矜持・衿持、正しいのはどれか?
さっきの記事を書いてて「矜恃」の変換候補がいくつか出てて、「あれどれだっけ」とか思ったので調べてみた。
手元の広辞苑では、
きょう‐じ【矜恃】 (キンジは慣用読み) 自分の能力を信じていだく誇り。自負。プライド。「矜持」 とも書く。「横綱としての―」「―を保つ」
とあるので「矜恃」が正しく、「矜持」という表記もあり、ということがわかる。
しかし、変換候補に「衿持」というのもあった。これは辞書にも見当たらないし、登録ミスかなと思ったのだが、意外に使用例が多いのである。
矜恃 の検索結果 約 19,600 件中 1 - 10 件目 (0.14 秒)
矜持 の検索結果 約 1,870,000 件中 1 - 10 件目 (0.03 秒)
衿持 の検索結果 約 32,100 件中 1 - 10 件目 (0.03 秒)
「衿持」が大多数なのは、どうやらMS-IMEがこれしか登録してないからの様子。
俺の使ってるかな漢字変換システムはNECの開発したCannaで、辞書はshion辞書をベースにした 美紗緒辞書 で、この字は元の辞書のときからあったもののようだ。
さてはて、これはどこから出てきた字なんだろうか。単なる誤字にしては、32100件ものヒットは異常だ。
防衛省のページ にも使われていて、
衿持を持ち誤った衿持ちを持たせぬこと。
などと、あえてこの字を使っているようである。
「衿を正す」みたいなところから「衿持」という宛て字めいたものを使う習慣があるのかもしれないな。ということは新しい辞書にはこの字も載ってるのだろうか?
(@943)
2007年09月28日(金) [過去の今日]
#1 「YouTubeを見ただけで違法」に飲酒運転が無くならない理由が見える
「法改正後はYouTube見るだけで違法」は誤解、文化庁が見解示す という記事。この記事が2日前に出て、ずいぶんあちこちで話題になった。
問題の箇所を引用しよう。
なお、YouTubeなどの動画共有サイトを視聴する際には、動画ファイルのキャッシュがPC内のHDDに一時的に保存される。この点についてIT・ジャーナリストの津田大介氏は、「違法ダウンロードが法制化された場合は、キャッシュとして保存することも複製と見なされ、違法行為になってしまうのか」と疑問を示した。
この質問に対して川瀬氏は、「それが複製にあたるかどうかの知識はない」と前置きした上で、2006年1月に提出された文化審議会著作権分科会報告書の内容を紹介。それによれば、文化審議会著作権分科会に設けられた「法制小委員会」において、仮に現行の著作権法でキャッシュが「複製」と解釈されても、権利制限を加えるべきではないとする見解が示され、法改正事項として挙げられていると答えた。
これに対し、 文科省とダウンロード規制と思想統制 という記事で以下のような指摘がある。
文化庁の川瀬氏は「それが複製にあたるかどうかの知識はない」としていますが、文化庁の著作権課の官僚さんが一時的蓄積に関する学説の状況を知らないとはにわかに信じがたいです。その上で、「仮に現行の著作権法でキャッシュが「複製」と解釈されても、権利制限を加えるべきではない」としているのは、裁判所が少なくともディスク上へのキャッシュについては裁判所がこれを著作権法上の「複製」とする可能性がそれなりに高く、その場合にはYouTubeでの動画視聴が違法とされることになることを十分に知りつつも、その場合には、これを適法なものとするような法改正は行わず、日本ではYouTubeの視聴自体をずっと違法なものということにしておきますよという趣旨ではないかと思います。
(中略)
杞憂なら良いのですが、ダウンロード者規制なんていう経済的に割の合わないものを、なぜそこまでして推進するのかということを、疑って係る必要はあるのではないかという気もしたりします。
これを見て即座に思想統制のための陰謀だ、とまでは言わないが、多いにありうる話ではある。
だが、これを見て俺は少し違った角度から「陰謀」の存在を疑っている。
それは、インターネットに道交法的な法律を適用したいと考えてる人たちがいるだろう、ということだ。
道交法はかなり都合よく運用されている。スピード違反も必らず捕まえるわけじゃないし、捕まえるときは「制限速度いっぱいで走ってて車線変更した瞬間」にも捕まえる。夜中に駐車違反の警告を張って早朝に回収するなんてことも平気でやる。
要するに警官の点数稼ぎに利用されているということだ。
このような運用を続けた結果、どうなったか。
もちろん全員が全員ではないが、ドライバーの多くは違反で捕まることを「運の悪いこと」だと認識するようになった。
何を言ってるのかわからない、という人が大半かもしれない。そう考えてる人にとっては「当り前」のことだし、そうじゃない人にとっては「法律違反しておいて運が悪いってどういうことだ」と思うだろう。
でも実際にそうなのだ。現実世界は人が思う程きれいにできてるわけではない。
制限速度をきちんと順守していたら、必らずDQNがやってきて後ろから煽って来る。安全な車両間隔を保てば必らず慌てん坊が割り込んで来る。駐車場が整備されてない地域での路上駐車は、かなり多くの人たちが「しかたがないこと」だと認識している。
それでも法律守れよって思った人たちは、はっきり言えば現実が見えてない。 以前、 田舎の交通事情を少し書いた ところ、 原付つかおうよ などというコメントを頂いたが、これも現実が見えてない例。
もっとも、都会で暮らしてたら原付という発想が出るのもむべなるかな。田舎の道を原付で走ろうなんてのは自殺行為もいいところだったりするんだがね。
まあそれについては実際に写真でも見てもらえばわかると思うので、そのうち機会があれば撮影して載せることにしよう。 要するに時代の変化に法律や周辺状況が追いついてなくて……ってあたりだと理解してもらえればいい。
そういうわけで、法律違反をして捕まる事を「運の悪いこと」だと認識されてるのは田舎も都会も同じ。ゴールド免許はペーパードライバーの証、なんて事聞いたことあるでしょ?
実際のところ、運転手はみんながみんな法律違反を大なり小なり犯さざるを得ないようにできてる。だからみんな法律を守るということを軽視しがちになる。結果、警察に捕まるのは「運の悪いこと」になる。
飲酒運転が無くならないのもそれが理由だと俺は考えてる。法律でなぜ禁止されてるのかというところに考えが至らず、警察に見つかりさえしなければいい、どうせ何やってたって捕まるときは捕まるんだ、という意識なのではないか。
こういう状況でメリットがあるのは、警察だ。警察はいつでもドライバーを捕まえる事ができる。犯罪者に仕立てあげる事ができる。別件逮捕にだって使えるだろう。
警察はインターネットを道路と同じように、「ユーザーをいつでも逮捕できる」場所にしたいと考えているのだろう。
だからあえてキャッシュについては曖昧なままにしておく。いつでも法解釈を変えて警察の都合でインターネットユーザーを逮捕することができるように。
ダウンロード規制法案なんてそもそもそのために作ってるようなもんだろう。
この法案は意地でも阻止せねばならない。政治家やってるジジイどもはこんなこと理解できるはずが無い。国会に上がる前に阻止しなきゃ、日本でインターネットを繋ぐことといつでも逮捕される可能性があることがイコールで結ばれるようになる。
恐らくそれに著作権保持者も荷担してるのだろう。自分たちの都合で違法にしたり遵法にしたりしたいわけだ。
日本は法治国家ではなく、人治国家たらんとしている。それを念頭に置いて、議論を追いかけていきたい。
(@066)
2007年09月29日(土) [過去の今日]
#1 Apple Storeが大混雑でシステムの処理が追い付いてないらしい
Apple Store に iPod touch を注文してはや3週間以上。当初から28日発送と言ってたのに22〜23日あたりには到着してる人もけっこういたりしたのに、刻印を入れてしまった俺のところにはいまだ届かず。むきーっ
というわけで昨日アップルストアに電話してみたのだが、28日発送は間違いない、というお返事。しかし29日の朝になっても「発送準備中」のまま。どういうことよ。
しょうがないのでまた電話してみたのだが、どうやら注文数が多すぎてシステムの処理が追い付いてないんだと。メールも来てないのはそのせいらしい。
しっかし、いくら注文数が多いっていったって、DBを更新してメール投げるだけのことじゃないのか? Apple Storeくらいの規模ならさくさく処理できそうなものだけどなあ。いったいどこらへんがボトルネックになってるんだろうか。
もしかしてDBを1個更新してはメール送信、とかやってるんだろうか。キューにためて一括処理とか無し?
それなら確かにえらい時間食ってもおかしくなさそう。ショッピングサイトなんて作ったことないからわからんけど、そういうもんなのかな。
(@067)
2007年09月30日(日) [過去の今日]
#1 何かに勝とうと思ったら、バカになる努力が必要なんだ
その昔、ネットにはいろんな論争があった。「ホームページ」という言葉の意味に関する論争、正しいHTMLに関する論争、ハッカーとクラッカーの違い、etc, etc, etc...
そういう論争をしてると必ず現れるのが、
「もう一般に広まっちゃった以上はどうしょうもないでしょ。言葉の意味なんて変化するもんなんだし、諦めたら?」
という感じの言説。
これがいかに意味の無いものだったか、今となってはよくわかる。
マスメディアは「ホームページ」という言葉を使う事が少なくなって来た。Googleの登場により正しいHTMLは利益があることだとみんなが認識し始めた。life hackという言葉の広がりが、hackの本来の意味を広め始めている。
こざかしい言葉に意味は無かった。意味があったのは、ホームページが何を指すかという文書、正しいHTMLの考え方を示したサイト、hackの意味を伝えていたページ。
これらは諦めなかった人達の足跡だ。彼らの積み上げて来たものが、今になって花開いている。
賢い者は争わない。しかし、争わない者に勝利は無い。
つまり、何かに勝とうと思ったら、ある程度 バカになる努力が必要だということだ。
そういえばそうだ。YouTubeだって動画を無尽蔵に配信するシステムじゃないか。あんなものバカにならなきゃ、おっそろしくてやってられん。ニコニコ動画だって、最初は賢くYouTubeの映像を利用していたが、おもいきってバカになって動画配信も始めたからこそ、今の成功がある。
新しいものを生み出す力は、バカの力。バカには賢さはない。あるのはただ、情熱だけだ。
(@988)