2007年09月27日(木) [過去の今日]
#4 矜恃・矜持・衿持、正しいのはどれか?
さっきの記事を書いてて「矜恃」の変換候補がいくつか出てて、「あれどれだっけ」とか思ったので調べてみた。
手元の広辞苑では、
きょう‐じ【矜恃】 (キンジは慣用読み) 自分の能力を信じていだく誇り。自負。プライド。「矜持」 とも書く。「横綱としての―」「―を保つ」
とあるので「矜恃」が正しく、「矜持」という表記もあり、ということがわかる。
しかし、変換候補に「衿持」というのもあった。これは辞書にも見当たらないし、登録ミスかなと思ったのだが、意外に使用例が多いのである。
矜恃 の検索結果 約 19,600 件中 1 - 10 件目 (0.14 秒)
矜持 の検索結果 約 1,870,000 件中 1 - 10 件目 (0.03 秒)
衿持 の検索結果 約 32,100 件中 1 - 10 件目 (0.03 秒)
「衿持」が大多数なのは、どうやらMS-IMEがこれしか登録してないからの様子。
俺の使ってるかな漢字変換システムはNECの開発したCannaで、辞書はshion辞書をベースにした 美紗緒辞書 で、この字は元の辞書のときからあったもののようだ。
さてはて、これはどこから出てきた字なんだろうか。単なる誤字にしては、32100件ものヒットは異常だ。
防衛省のページ にも使われていて、
衿持を持ち誤った衿持ちを持たせぬこと。
などと、あえてこの字を使っているようである。
「衿を正す」みたいなところから「衿持」という宛て字めいたものを使う習慣があるのかもしれないな。ということは新しい辞書にはこの字も載ってるのだろうか?
(@943)