狐の王国


2007年06月01日(金) [過去の今日]

#1 Re: それって

あまりにも正鵠を得ていたので爆笑してしまった。

それって

憎まれっ子世に憚る

というやつですか?

たぶんそうだと思います。

(@220)

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2007年06月02日() [過去の今日]

#1 警察がいつでも誰でも逮捕できるようにしておく美しい国日本

この日本で車を運転する人で、一度もスピード違反を犯したことが無い人はいるだろうか。捕まったことはなくても、50km/h制限の道路で55〜60km/hくらい出したことは、一度もないだろうか。

「知財推進計画2007」正式決定、ファイル交換ソフトからの複製禁止など という記事。

とうとうダウンロード禁止法案が検討される段階に入ったらしい。しかも著作権の非親告罪化とセットだ。これがどういうことになるか、考えてみよう。

例えば昨年の「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメは、YouTubeはじめ、ネットにコピーをばらまく(あるいはそれを黙認する)ことでバイラル・マーケティングに成功し、大ヒットとなった。これがダウンロード禁止法と非申告罪化が施行された後ならどうなるか。

「ハルヒ」の制作者たちがネットにコピーをばらまく。それをたまたま目にした人が「おもしろい!」と感じてたくさんの人に「見ろよ、これ」と進める。見た人たちは著作物をダウンロードしたということになる。しかも非親告罪なので制作者たちの判断無しに、警察は逮捕できる。

これがどういうことかわかるだろうか。つまるところ「事実上の検閲」になりかねない。

「ハルヒ」がもっと政治的な作品だったらどうだろうか。マスコミを通して大々的なCMをおこなう体力がないので、バイラルマーケティングで……と考えて実行したら、見た人を逮捕してしまえる。全員を逮捕するわけではないだろうが、警察や政府に不利な作品なら、それを見て行動を起こそうとする人たちをかたっぱしから「本格的な行動を起こす前に」逮捕してしまえる。

もちろん、著作権の非親告罪化は海賊版対策だし、ダウンロード禁止法案は匿名ファイル交換ソフトによる著作物の非正規流通対策と、どちらも大規模な著作権侵害への対策のためのものだ。だがその法律が「本来の目的以外」に使われることは無いと、誰が言える?

冒頭のスピード違反の話に戻ろう。スピード超過は危険だから取り締まる、というのが本来の目的のはずだ。だが実際に車を運転してる人はわかるだろうが、法定速度内で走ることより、周囲と同じ速度で走ることのほうがずっと安全に繋がるのだ。速度規制は「目安」としては機能してるが、安全面でそれ以上の効果は無い。

だが実際はどうだ。警察の点数稼ぎのために速度違反の取り締まりが使われてるという言説が減らないのはどういうわけだ。それだけひどい目にあった人が多いということだろう。俺も伝聞だが「速度制限いっぱいで走ってて車線変更したら捕まった」なんて話も聞く。 警察国家 への道はとっくに走りはじめてるのだ。利口な人間はもう警察を信用できる組織だとは思ってない。

結局のところ、警察の規制や法律の運用というのは、誰もが多少法律の範疇からはみ出さざるをえないようにしておいて、理由があれば逮捕、という形なのだろう。いつでも誰でも警察の好きなときに逮捕できるようにしておくという考え方だ。

これはどうにかして止めないといけない。バイラルマーケティングですら違法になりかねない。警察の好き勝手にさせては、警察が不正をしてても誰も暴けなくなる。

今度の選挙で自民党が大敗でも喫してくれれば、少しは変わるだろうか……。どうせ参議院が崩壊してしまうような政治家だらけになっても、衆議院に1回だけ戻す事しかできないんだし……。

(@313)

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#2 新作ガンダムはものすごいラブコメになる?

痛いニュースの記事 で知ったのだが、今年の秋から新作ガンダム、 機動戦士ガンダム00 が始まるらしい。へえ、SEEDの3作目じゃないんだ。

しかし、スタッフを見ると……

  • 監督:水島精二
  • シリーズ構成・脚本:黒田洋介
  • キャラ原案:高河ゆん
  • キャラデザ:吉田健一
  • プロデューサー:竹田P(MBS)

……まて。 黒田洋介 だとっ?!

いや、好きなんだけどね、黒田脚本のアニメ。代表的なものをWikipediaの作品リストからあげてみると、

……いや、いいのよ。プリティサミーも好きだったし、おねがい☆ティーチャーとその続編のおねがい☆ツインズなんてホント大好きだし。

でも、でも……悲しいけどこれガンダムなのよね……。

しかもキャラクター原案に高河ゆん。

……………………。 ……………………………………………………………………。 ………………………………………………ものすごい ラブコメなガンダムになりそうじゃないですか?

いや、おもしろければいいんだけどさ……。

(@552)

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2007年06月03日() [過去の今日]

#1 ニコニコ動画で削除されるアニメ、されないアニメ

ニコニコ動画 にはいろんなおもしろい動画があがっているが、TVで放送されたアニメがものすごい早さであがってることもある。まだ放送中なのに前半部分だけあがってた、なんてこともあった。

これだけ見ると違法サイト、著作権侵害コンテンツだらけのようにも思えるが、実はそうとも限らない。

なぜかというと、削除されるべきアニメは削除されているからだ。

たとえば現在放送中のアニメだと、 アイドルマスターXENOGLOSSIA はアップロードしてもすぐ削除されているようだ。しかし らき☆すた などは1話から全部残っている。ここらへんに戦略の違いが見て取れる。

「らき☆すた」は昨年YouTube経由で大ヒットしたアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」と同じ版元で、主役声優も同じ、制作スタジオも同じと、内容は全然違うものの戦略としては「ハルヒ」を踏襲してる事が見える。だから敢えてニコニコ動画にも削除要請を出さず、「ハルヒ」同様、バイラル的に広がらせる手法を取っているのだろう。

対して「アイドルマスターXENOGLOSSIA」は、「らき☆すた」「ハルヒ」と同じく地方局のみの放送ではあるが、 @niftyによるストリーミング配信 も用意している。niftyのサイトには「@niftyにて独占ネット配信」なんて文字も踊っている。こちらはネット配信はniftyにトラフィックを集めてそこのメディア価値を上げる事に貢献するという戦略なのだろう。だから他のサイトにアップロードされたら削除しなくてはならない。

こうして見ると、ニコニコ動画に残っている動画は、遠慮なく見ていいものだ、ということがわかる。厳密には「黙認」程度のことしかできないのかもしれないが、それはそれ、著作権侵害が親告罪であるうちはこういう戦略も取れるということだ。非親告罪化してしまったら、黙認じゃなくてきちんと合法化しなくてはならないから、ものすごいコストがかかるだろう。

今までニコニコ動画にあがってるアニメを見るのは若干良心の呵責めいたものを感じていたが、きちんと削除される体制が見えた以上、もう遠慮はいらなそうだ。視聴者は見逃しや住んでるところで見れない作品が楽しめるし、著作者はバイラル的に広げる事で利益を得る。まさにwin-winの関係がそこにあるということだ。せっかくだからどんどん楽しむことにしよう。

非親告罪化とダウンロード禁止法が通ってしまったら、もうこんな幸せな状況はありえなくなってしまうかもしれないのだし。

(@347)

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#2 警察や政府を信用できる人もいるらしいが、とりあえずGIGAZINEがんばれ

GIGAZINEさんは商売としてアクセスを集める文章を起草しているわけで… という記事。

内容的にも、牧歌的な政府不信というか、警察不信みたいなものが漠然と中核を占めているだけであって、(後略)

むしろなぜ政府や警察をそんなに信用できるのか、聞いてみたい。

日本が民主的な国かというと実際そんなことはなくて、そもそも日本国民の知性レベルがあまりに低いが為に官僚という名の一部のエリートが古式ゆかしい「御上」の役割を担ってどうにかこの日本を民主主義の体裁を保ちつつ運営しているというのが現状であろう。 若い人には実感しがたいだろうが、いまだに「くだらねえこと言ってねえでおかみに任しときゃいいんだ。とっとと働け」というようなおっさんは多いのである。

そんなわけだから官僚側も御上体質になり、何も考えてない民衆のために働いてやってるんだ的考えになるのもしょうがあるまい。実際なにもせず口をあけて待ってるだけの国民が多いのだ。だからいつでも逮捕できるようにしておこうとか、国が管理してやろうとか、そういう発想になる。そんな奴等を信用できるという人のほうが信用できない。

そんな状況下でインターネットというものが日本にやってきて、我々は時代遅れの官僚の考えることなど亀とジェット機のごとく軽々追い越して、膨大な情報と思考の渦に身を置けるようになった。そこでは一部の人しか知らなかった情報が当り前のように入手でき、誰かがそれを見つけては「Ω ΩΩ <な、なんだってー」を繰り返して来たのである。

GIGAZINEの問題の記事 もそのうちのひとつに過ぎない。陰謀論云々はともかく、 年次改革要望書 の存在を広く知らしめた功績は馬鹿にできたものではない。

我々は進化している。ネットも10年前とは比べ物にならないほどの情報量と正確さを備えている。 きちんとした英語を書けないなら日本語だけ書いてろ みたいな言い方をする人もいるが、きちんとしてなくてもどんどん書いた方が有益なのだ。極一部の「そんなもの常識でしたが?」的な発言など気にすることは無い。 にわかな奴ほど語りたがるの法則 なんてものもあるが、最後にポジティブな応用例が書いてある。逆に言えばにわかなうちに語っておけ(=アウトプットのチャンスはにわかなうち)ということなのだ。

そういうにわかな奴のアウトプットも蓄積していくとものすごい量になり、ツッコミも同時に見ることができる。 「陰謀論というよりはガセネタ」などという役に立たないツッコミではなく、もっと有益なツッコミが見れる事も多い。

そうして我々は進化して来た。

だからGIGAZINEはえらい。にわかでもなんでもきちんとアウトプットを出し続ける姿勢は見習うべきものがあるし、今回の著作権まわり、法改正まわりの記事は良質と言ってもいいだろう。せっかくそういう記事にお金が入る時代になってきたのだ。ぜひこれからもがんばって記事にしていってもらいたい。

……もっとも、いつもの海外で見つけたネタを写真パクって紹介するだけの記事はかんべんしてもらいたいものだけども。

(@527)

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2007年06月04日(月) [過去の今日]

#1 大事な道具はパッケージに頼らず手buildしたい

俺の日常環境は、この日記に移った6年前からずっとDebian GNU/Linuxである。当時、ウェブブラウザはさほど重要な要素ではなかったから、Netscape4やw3mなどを適当に使っていた。

だが今はウェブブラウザの重要度が果てしなく上りまくってる。日々の検索、ブックマーク、情報交換、その他もろもろ、ウェブブラウザと睨めっこしてる時間がものすごい長さになってきている。

だから俺は、Debianの提供するパッケージではなく、Firefoxがリリースされるたびにソースからコンパイルしている。もちろん自分のマシン環境にあわせてgccの最適化オプションもつける。そんなに大きくは違わないが、体感でもレスポンスが向上してるのがわかる程度には変わって来るものである。

しかし、Firefoxと並んでもうひとつ重要な道具であるエディタ、EmacsについてはDebianパッケージをそのまま使っている。

Emacsの上でプログラムを書き、HTMLを書き、日記の記事を書き、メールの読み書きをし、IRCもEmacsで動くirchat-pjに少し手を入れて使ってる。

これだけ重要なアプリケーションなのに、Firefoxと違って手ビルドしてないのはなぜか。

簡単に言えば、Emacsで動くelispアプリケーションの存在だ。Firefoxで言うところの拡張機能程度に考えておいてもらっても構わない。

Firefoxの拡張機能は自動でアップデートされる機構が組み込まれているが、Emacsはそうではない。きちんとmakeしないと動かない。そして俺がEmacsで動かしているelispアプリケーションの量は、Firefoxの拡張機能の数とは比べ物にならないほど多いのである。

そんなのいちいちメンテしてられない。

なのでaptでさくさくアップデートされるDebianパッケージに、どうしても頼ってしまうのである。一時期は手ビルドしたEmacsにDebianパッケージのelispを読ませる、なんて荒業もしていたが、これもさすがにいまいちだ。

elispアプリケーションのパッケージがインストールされるとき、コンパイルされるemacsのフレーバーに手ビルドしたEmacsを追加できればいいのだろうか。うーん、しかしどこでそんなことをさせればいいのやら……。

(@352)

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#2 MYUTA裁判は自作自演だった、という陰謀論

/.-jのコメント で見つけたのだが、例のオンラインストレージ全般が違法になるんじゃないかと危惧されている MYUTA裁判 が、実は着メロ業者の自作自演なんじゃないか、という陰謀論が流れてるらしい。

確かにCDからユーザーに着メロを作られると商売あがったりな気もするが、それをふせぐためにわざわざサービスを起こしてJASRACを利用して違法認定食らわせるってのはどうなんだろう。

ありえなくはないような気もするが、実際はどうなんだろうね。

そういえばMYUTA側が控訴したって話を聞かないのだが……。このまま控訴しないのなら、怪しまれてもしょうがないかもなあ。

実際のところ判決文を「日本語として解釈」する限りは、オンラインストレージ事業者がいつ逮捕されてもおかしくない判決に見える。法律文として解釈したらどうなるのかは俺にはわからないけども、ウェブサービス事業者全般を萎縮させるには十二分であることは間違いない。

そういうわけで、俺としてはMYUTA側にぜひとも控訴してもらいたい事案なんだけどもなあ。控訴してくれないのかなあ。

(@453)

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2007年06月07日(木) [過去の今日]

#1 Advanced/W-ZERO3[es]はなんて略せばいいのか

Willcomの新機種、 Advanced/W-ZERO3[es] をなんて略せばいいのかIRCで相談したところ……

どエス

という答えが帰ってきた。

…………まあいいか。インパクトあるし。

で、その どエス だが、気になっていた「under the control of X」のXとは、Xcrawlと名づけられたセンターキーの事らしい。これがどれだけ使いやすいかが気になるな。

しかしキーが小さい。テンキーでメールを書くのは難しそうに見える。やってみなくてはわからないが、テンキーは諦めた方がいいのだろうか。

期待したカメラは130万画素クラスだそうで、メモ取りに使えるかは微妙。200万画素くらい欲しかったなあ。色もシルバー一色と来たものだ。

しかし、無線LAN搭載、Opera/IEのダブルフルブラウザ搭載、3インチ800x480液晶搭載と、魅力はたくさん。sshクライアントもフリーのものが使えるはずだし、仕事にもかなり使えそうだ。

しかも、 ウィルコム無線LANオプション なんてのも用意されてるのか。

テンキーはさほどこだわるべき場所でもないし、カメラも仕事用のN902isがあるから別に問題じゃないし、色はそもそも気に入った色がある機種がほとんど無いし……。

となると、あとは買わない理由は値段だけか。サポートコインが限度額までたまってるので4000円くらい引かれるはずだし、それで3万円まで下がるようなら機種変してしまいそう。

うーん困った。買わない理由もっと思い付かないかな。

(@375)

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#2 防犯カメラ・監視カメラは「流出」している

痛いニュースの記事で 新幹線「N700系」に、防犯カメラ設置→「善良な市民を監視することが正当化されるのか」と市民団体が批判…朝日新聞 というのがあった。

元スレを見てないのでなんとも言えないが、監視カメラに賛成の人達が多数いる模様。 この人達は、本当に監視カメラの恐さを知っているのだろうか?

昨年、 松本人志が写真週刊誌を訴えた「本当の理由」 という記事が はてブ に上がっていた。 ここに、

報道の多くが「プライベートでAVを借りているところを盗撮された」ことを怒っているように書いてありましたが、違うんですよ。

そうではなくて、写真を載せる時に「防犯カメラの記録ビデオから転載した」ことをボクは怒ったわけです。

もし、こんなことがこれからも許されるのなら、有名人は(防犯カメラのついている)エレベーターにも乗れないし、スーパーにも行けないし、ということになってしまいますよ…。

という記述がある。

そう、防犯カメラや監視カメラがあっても、それを「見ている人間」は確実に存在する。そしてその「監視カメラの映像を見ている人間」が善人とは限らないのである。

「恐いのは有名人だけじゃないの?」と思う人もいるだろう。そう思うならYouTubeを見てみるといい。監視カメラや防犯カメラの映像と思しきものがしょっちゅう流れている。それも車の運転ミスやちょっとした失敗等々といったものが多い。

要するに街でうっかりしたことをしてしまうと、それがたまたま防犯カメラに映っていたら、ネットで世界中に晒されて笑い者になる、ということだ。

監視カメラ、防犯カメラが増えれば増えるほど、その確率はどんどん上がる。 誰だって失敗は付き物。それを晒し上げられて笑い者にされて、いい気分のはずなかろう。

まだその程度ならマシだ。 岩手大学水泳部員がアルバイト中に皮膚病患者を盗撮・中傷したことについてのまとめ というサイトがある。サイトの名前がすべてを物語っているが、mixiでコンビニ店員が皮膚病患者の写真を撮って誹謗中傷を繰り広げた、という事件である。 これが監視カメラや防犯カメラの流出で起きたとしても不思議ではなかろう。

そのうちコンビニ店員が防犯カメラから、特定カップルが何日置きにコンドームを買いに来るかわかるように編集したビデオとか流れるんじゃないか?

現実に今も監視カメラ、防犯カメラから映像は流出し続けている。被害者がそれに気付いて裁判でも起こせばどうにかなることもあろうが、実際はそれに気付くことすら稀であろう。 警察のNシステム情報ですら流出してる のである。他の組織なら安心なんて事は無いだろう。

電車内の痴漢対策、痴漢冤罪対策にも有用だという声もあるようだが、俺はむしろ「本物の痴漢映像!」とかいってWinnyなりなんなりに放流する職員が出てくるんじゃないかと思っている。その被害者が子供だった場合など目も当てられない状況になるんじゃないのか?

もちろん犯罪対策、防犯という意味での監視カメラ、防犯カメラはとても重要なものだろう。だが設置するならするで、まずは映像の流出対策が先じゃないのか? 個人情報保護法のような法律が、防犯・監視カメラにも必要じゃないのか?

もっとも、そういうだだ漏れの社会になったらなったで、 ガラス張り企業 のような安心感はあるのかもだけどね。かつて田舎が持ってた「どこに行っても知ってる人がいるので悪いことなんてできやしない」という状況が、都会にも監視カメラとWinnyによって実現するのかもしれない。

それはそれで、いいのかもしれないけどね。

(@811)

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2007年06月08日(金) [過去の今日]

#1 「こどものじかん」発売中止は当然のこと

『こどものじかん』北米で発売中止になった経緯。 という記事が気になって、実際に3巻まで買って読んでみた。

内容は、超おマセな小学3年生の女子児童たちが、新人の男性教師に逆セクハラ等々をして困らせる、というコメディ作品。「クレヨンしんちゃん」の女の子版とでも言うべきか。

あまりのマセガキっぷりにリアリティの欠損を感じなくもないが、昨今の性の低年齢化を考えると「シャレになる」年齢はこのへんなのかも、という気はする。もっとも、主人公である新人教師にとってはシャレになってないのだけども。

内容自体はとてもおもしろいし、登場人物の一人であるレイジの過去の描写などは重厚で、ただのコメディではない人物の厚みを感じさせてくれる。また、大人・子供問わず、登場人物たちの心の揺れは、共感する部分も多く、じんとくるシーンも多かった。

ただ、確かに下着や裸の描写は無闇に多い。問題になりそうなシーンはいくつかあったし、それが物語上必要なものとも認められなかった。

はっきり言えば、幼女趣味を持つ変態さんを喜ばせるためだけのシーン、という誹りを受けても擁護しかねる部分がある、ということだ。

物語自体に文句を付けるつもりもないし、むしろ子供に振り回されたり癒されたりするところなど、秀作と言ってもいい代物である。ただ、ありていに言えば「無駄にエロい」ということである。もちろんそういう要素が悪いとは言わないが、問題なのはそれが子供を使ってるということだ。

「物語自体がすばらしい」からこそ、無闇に児童の性的虐待を想起させるような描写は謹むべきだ。本人が嫌がってなければ虐待じゃないと思う愚か者もいるかもしれないが、嫌がってないならそれが尚更ひどい虐待であることは知っておくべきだろう。

俺はもちろん表現の自由は最大限確保すべしという立場である。だが同時に子供を性の対象とするような輩は断じて許さないという立場でもある。これは身近に子供がいる人間としては当然すぎる事だろう。

何度も言うが、ストーリー自体は悪くないのだ。だからこそ深読みすると存在するようにも取れる性的虐待に、読者の思考を向かせるべきではない。

もし実際に作中に暗に性的虐待が描かれてるとしたら、そして「マセガキ」の理由がそこにあるとしたら、この「こどものじかん」という作品は最低最悪の漫画になってしまう。

これでは北米での発売中止もしかたあるまい。国内での発売中止すら検討されてもおかしくない。性的虐待はあるけど幸せそうに暮らしてますみたいな作品が世間に認められるはずはないだろう。現実の被害者を嘲笑うようなものだ。

だから俺は──こんな事を思うのは生まれて初めての事であるが──この作品は修正されるべきだと思う。子供の性的虐待など存在しようがないように、表現を改めるべきだ。 「こどものじかん」という漫画は、「深読みさえしなければ」、すばらしい作品なのだから。

(@648)

追記:

ついでだから具体的に、深読みすると性的虐待が存在するようにも取れるシーンをいくつかあげておこう。俺が気付いたところだけなので、北米では他にも問題とされるシーンがあるのかもしれない。

  • 2巻75P〜78P。性的虐待の前後とも取れるシーンがある。
  • ネタ元にもあるが3巻129P〜131P。性交に及んだようにも見えなくはない。

この他にも3巻には「性的虐待」という言葉を用いてその存在を疑うシーンもあるが、ここらへんは微妙。心理描写の範疇と考えるべきかもしれないが、それを言いだすと作品全体がやっぱ微妙ってことになりそう。

(@699)

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2007年06月09日() [過去の今日]

#1 素人評論が「上から目線」でつまらない件

強い読者になろう という記事。ほぼ同意。

というかね、素人評論ってのは昔から糞つまらないものの代表格で、日曜の朝なんかにやってるTV番組の視聴者からの意見やら、TV雑誌に投稿される評論家気取りの素人文等々、いろいろ見てきたがホントにつまらん。

例えば昼ドラの大家族ものに対しては「家があんなきれいなわけない、お母さんがあんなきれいなわけない。リアリティが無い」などと言いだす。「あらこんなところに牛肉が」というCMに対しては「そんなところに牛肉があるわけない、視聴者をバカにしてる」とか言いだす。

元ネタの記事 にしても、オタク界隈でよく見かける「オタクはバカにされてんだよ、気付かないで見てる奴がバカなんだよ」という論調。

これらの共通点を考えてみると、それはやはり「優越感」だろう。

つまるところ「マスメディアに流れるコンテンツ」というある種の「権威」に対して「上から目線」でものを語り、「俺は普通の人が気付かないところにツッコミを入れられるんだぜ」という優越感を味わっているように見える。

それがつまらなさの原因だろう。

評論をするなら、作品に愛が欲しい。愛の無い評論など、ただの罵倒か提灯にしかなるまい。そんなものがおもしろいわけがないのである。

(@550)

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#2 予定表とToDo管理に特化したカスタムポータルは無いだろうか

refererを見てたら、 netvibes というサイトからのアクセスがあった。何かと思えば、iGoogleのようなカスタムポータルのもよう。どうやら1ヵ月くらい前に話題になってたようだ。見のがしてたなあ。

で、なんとなく使ってみたのだが、まあiGoogleよりはマシ、という程度で、これといったおもしろさは感じない。モジュールはいろいろ使えるようだが、モジュールを作るドキュメントはどこかにあるのだろうか。

前からブラウザのホームページを自分でカスタムできるサイトがあるといいのになあとは思ってたのだが、実際目にしてみると案外おもしろくない。なんでだろうか。

結局日常の巡回はRSSリーダーに頼りきりだし、調べものはFirefoxの検索窓があるし、その他はせいぜいはてなブックマークの上位とこの日記のrefererを見るくらいで、別段ホームページがあってもなくても用は無いのだよな。まあ予定表やToDoが出てくるのはとてもいいとは思うのだが。

むしろ予定表とToDo管理に特化した方がいいんじゃないか? オマケでRSSリーダー機能的なものがあれば使い道もある。twitterモジュールみたいなのもユーザーがガンガン開発していけるような感じだともっといい。

うーん、そんなの見てみたいなあ。見てみたら見てみたで「やっぱつまんない」とか言いだすのかもしれないが。

(@933)

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2007年06月10日() [過去の今日]

#1 Winny/ShareがP2Pを殺すのか?

referer -> とりあえずアップ という記事 -> DTIの帯域制御は「本当に」アップロードだけ? という記事経由で、 ISP規制情報Wiki というサイトを見つけた。

ここの記述を見て驚いた。ランクAとされる「規制が(ほぼ全域で)始まってない 快速なプロバ」が、たった3つしかないのである。俺が見た時点では、InfoSphereとeo、commuf@だけ。フレッツシリーズに対応してるのはInfoSphere1社のみというこの状況。

要するに主なISPはほぼP2P規制を始めてるということか?

困る、困るなあ。P2Pはこれからどんどん広がって行ってもらわないといけない技術。ファイル配布のBitTorrentに始まり、最近だとP2Pで動画配信するサービスがいくつか出てきてるようだ。YouTubeもP2P配信を検討してたはず。SkypeだってP2Pだ。

俺も大きなファイルの配布にBitTorrentを使おうとしてたので、15GB/day制限の予定されているDTIは近いうちに解約するつもりだった。代わりのISPを検討しなきゃと思ってたらこれだ。乗換え先が見つからないではないか。

結局のところ、Winny/Shareが使われすぎているということなのだろうか。トラフィックの何%を占めるのかはわからないが、相当な量なのだろう。

だとするなら、P2Pを殺すのはWinny/Shareということになる。P2Pが広まるきっかけになったソフトウェアがP2Pを殺すはめになるとは、なんたる皮肉。違法ファイルが主なコンテンツじゃしょうがないんだろうけども……。

しかしそれでP2Pプロトコル全般が事実上規制されるような動きは喜ばしくない。 従量課金がいいんじゃね という記事があるが、確かに繋がらなくなるよりはずっといいのかもしれない。DoCoMoみたいに破算してしまいそうな金額になるんじゃ使いものにならないが、水道や光熱費程度に、使いすぎてもせいぜい数万円にしかならないなら、受け入れられるんじゃないだろうか。

それに、実際数万円の回線使用料が請求されるようになったら、そもそもコンテンツをタダで手に入れたいという程度の理由でWinny/Shareを使ってる人間は排除できるのでは? もしそれでも減らないようなら……たぶんそれは、ビジネスチャンスだ。 *1

(@129)


*1: もちろんコンテンツ供給側にとって、という意味だよ。
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#2 5年後のアニメはネット配信が中心になる

経営者倶楽部 2011年、テレビが消える という記事を Matzにっき でハッケソ。

放送に流れてる広告費がネットに流れ込んで来て、2〜3年で今のTVの広告売上は半減するだろうとおととしくらいから考えていた。さすがに半減とは言わないまでも、じりじりとネット広告は伸びているようである。

しかし考えてみれば地上波デジタルに完全移行となる2011年、本当に全家庭が地デジに移行するとは思えない。だったら見なくていいや、という世帯が少なからず出てくるはずである。代替手段はネットでもCSでもいくらでもあるのだから。

となると、TV局の広告売上半減というのも現実味をおびて来る。2011年は日本におけるネット広告の爆発的普及が見込まれるだろう。

そこでオタクのはしくれとして真っ先に心配になるのは、アニメの供給である。

今はアナログ地上波があるから、録画してiPodで見れる形式に変換したり、デジタルデータに落しこんで見れない地域の友達同士で融通しあったり、ということができる。地デジ時代でもアナログキャプチャなりHDMIキャプチャなりで、苦労はしても同じような事はできるだろうと考えていた。

しかし、TVの広告価値が半減してしまうのでは、そもそもTVでアニメを放送するかどうか疑問になってくる。

現状のYouTubeやニコニコ動画の状況を見てもわかるが、オタクはたいていコンピュータが扱えるし、アニメならばネット配信でも充分成り立っていける土壌はある。向こう4年のうちにネット配信のノウハウを確立してしまえば、現行のUHFアニメなどは視聴者層を広げられるし、そのままDVDや原作本、あるいは類似作品関連商品の通信販売に繋げられるしで、いいことずくめだ。

そうしてネットでのストリーミング配信がアニメの中心を占めるようになると、問題は録画である。

ストリーミングは表向き録画できない事になっているし、どうにか保存しようと思ってもかなりめんどうなのである。ましてやiPod用のビデオ形式に変換まで考えると、元ソースはさすがにTV放送よりは質も落ちるし、少なくとも今より良くなる事なんてありえない。

まあオンデマンドで見られるなら録画の意義もさほど無いのかもしれない。ホットスポットが増えて、モバイル機器でもWLAN経由でさくさくとアニメが見れるようになるのかもしれない。

そして録画できないとなれば、手元に置いとくにはDVDを買うしか無い。アニメの売上もアップである。

うーん、録画できなくなる心配を書こうと思ったのだが、むしろ天国のような未来が見えて来たな。それはそれでいいのかもしれないが。

(@875)

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