2007年06月07日(木) [過去の今日]
#2 防犯カメラ・監視カメラは「流出」している
痛いニュースの記事で 新幹線「N700系」に、防犯カメラ設置→「善良な市民を監視することが正当化されるのか」と市民団体が批判…朝日新聞 というのがあった。
元スレを見てないのでなんとも言えないが、監視カメラに賛成の人達が多数いる模様。 この人達は、本当に監視カメラの恐さを知っているのだろうか?
昨年、 松本人志が写真週刊誌を訴えた「本当の理由」 という記事が はてブ に上がっていた。 ここに、
報道の多くが「プライベートでAVを借りているところを盗撮された」ことを怒っているように書いてありましたが、違うんですよ。そうではなくて、写真を載せる時に「防犯カメラの記録ビデオから転載した」ことをボクは怒ったわけです。
もし、こんなことがこれからも許されるのなら、有名人は(防犯カメラのついている)エレベーターにも乗れないし、スーパーにも行けないし、ということになってしまいますよ…。
という記述がある。
そう、防犯カメラや監視カメラがあっても、それを「見ている人間」は確実に存在する。そしてその「監視カメラの映像を見ている人間」が善人とは限らないのである。
「恐いのは有名人だけじゃないの?」と思う人もいるだろう。そう思うならYouTubeを見てみるといい。監視カメラや防犯カメラの映像と思しきものがしょっちゅう流れている。それも車の運転ミスやちょっとした失敗等々といったものが多い。
要するに街でうっかりしたことをしてしまうと、それがたまたま防犯カメラに映っていたら、ネットで世界中に晒されて笑い者になる、ということだ。
監視カメラ、防犯カメラが増えれば増えるほど、その確率はどんどん上がる。 誰だって失敗は付き物。それを晒し上げられて笑い者にされて、いい気分のはずなかろう。
まだその程度ならマシだ。 岩手大学水泳部員がアルバイト中に皮膚病患者を盗撮・中傷したことについてのまとめ というサイトがある。サイトの名前がすべてを物語っているが、mixiでコンビニ店員が皮膚病患者の写真を撮って誹謗中傷を繰り広げた、という事件である。 これが監視カメラや防犯カメラの流出で起きたとしても不思議ではなかろう。
そのうちコンビニ店員が防犯カメラから、特定カップルが何日置きにコンドームを買いに来るかわかるように編集したビデオとか流れるんじゃないか?
現実に今も監視カメラ、防犯カメラから映像は流出し続けている。被害者がそれに気付いて裁判でも起こせばどうにかなることもあろうが、実際はそれに気付くことすら稀であろう。 警察のNシステム情報ですら流出してる のである。他の組織なら安心なんて事は無いだろう。
電車内の痴漢対策、痴漢冤罪対策にも有用だという声もあるようだが、俺はむしろ「本物の痴漢映像!」とかいってWinnyなりなんなりに放流する職員が出てくるんじゃないかと思っている。その被害者が子供だった場合など目も当てられない状況になるんじゃないのか?
もちろん犯罪対策、防犯という意味での監視カメラ、防犯カメラはとても重要なものだろう。だが設置するならするで、まずは映像の流出対策が先じゃないのか? 個人情報保護法のような法律が、防犯・監視カメラにも必要じゃないのか?
もっとも、そういうだだ漏れの社会になったらなったで、 ガラス張り企業 のような安心感はあるのかもだけどね。かつて田舎が持ってた「どこに行っても知ってる人がいるので悪いことなんてできやしない」という状況が、都会にも監視カメラとWinnyによって実現するのかもしれない。
それはそれで、いいのかもしれないけどね。
(@811)