2007年06月03日(日) [過去の今日]
#1 ニコニコ動画で削除されるアニメ、されないアニメ
ニコニコ動画 にはいろんなおもしろい動画があがっているが、TVで放送されたアニメがものすごい早さであがってることもある。まだ放送中なのに前半部分だけあがってた、なんてこともあった。
これだけ見ると違法サイト、著作権侵害コンテンツだらけのようにも思えるが、実はそうとも限らない。
なぜかというと、削除されるべきアニメは削除されているからだ。
たとえば現在放送中のアニメだと、 アイドルマスターXENOGLOSSIA はアップロードしてもすぐ削除されているようだ。しかし らき☆すた などは1話から全部残っている。ここらへんに戦略の違いが見て取れる。
「らき☆すた」は昨年YouTube経由で大ヒットしたアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」と同じ版元で、主役声優も同じ、制作スタジオも同じと、内容は全然違うものの戦略としては「ハルヒ」を踏襲してる事が見える。だから敢えてニコニコ動画にも削除要請を出さず、「ハルヒ」同様、バイラル的に広がらせる手法を取っているのだろう。
対して「アイドルマスターXENOGLOSSIA」は、「らき☆すた」「ハルヒ」と同じく地方局のみの放送ではあるが、 @niftyによるストリーミング配信 も用意している。niftyのサイトには「@niftyにて独占ネット配信」なんて文字も踊っている。こちらはネット配信はniftyにトラフィックを集めてそこのメディア価値を上げる事に貢献するという戦略なのだろう。だから他のサイトにアップロードされたら削除しなくてはならない。
こうして見ると、ニコニコ動画に残っている動画は、遠慮なく見ていいものだ、ということがわかる。厳密には「黙認」程度のことしかできないのかもしれないが、それはそれ、著作権侵害が親告罪であるうちはこういう戦略も取れるということだ。非親告罪化してしまったら、黙認じゃなくてきちんと合法化しなくてはならないから、ものすごいコストがかかるだろう。
今までニコニコ動画にあがってるアニメを見るのは若干良心の呵責めいたものを感じていたが、きちんと削除される体制が見えた以上、もう遠慮はいらなそうだ。視聴者は見逃しや住んでるところで見れない作品が楽しめるし、著作者はバイラル的に広げる事で利益を得る。まさにwin-winの関係がそこにあるということだ。せっかくだからどんどん楽しむことにしよう。
非親告罪化とダウンロード禁止法が通ってしまったら、もうこんな幸せな状況はありえなくなってしまうかもしれないのだし。
(@347)
#2 警察や政府を信用できる人もいるらしいが、とりあえずGIGAZINEがんばれ
GIGAZINEさんは商売としてアクセスを集める文章を起草しているわけで… という記事。
内容的にも、牧歌的な政府不信というか、警察不信みたいなものが漠然と中核を占めているだけであって、(後略)
むしろなぜ政府や警察をそんなに信用できるのか、聞いてみたい。
日本が民主的な国かというと実際そんなことはなくて、そもそも日本国民の知性レベルがあまりに低いが為に官僚という名の一部のエリートが古式ゆかしい「御上」の役割を担ってどうにかこの日本を民主主義の体裁を保ちつつ運営しているというのが現状であろう。 若い人には実感しがたいだろうが、いまだに「くだらねえこと言ってねえでおかみに任しときゃいいんだ。とっとと働け」というようなおっさんは多いのである。
そんなわけだから官僚側も御上体質になり、何も考えてない民衆のために働いてやってるんだ的考えになるのもしょうがあるまい。実際なにもせず口をあけて待ってるだけの国民が多いのだ。だからいつでも逮捕できるようにしておこうとか、国が管理してやろうとか、そういう発想になる。そんな奴等を信用できるという人のほうが信用できない。
そんな状況下でインターネットというものが日本にやってきて、我々は時代遅れの官僚の考えることなど亀とジェット機のごとく軽々追い越して、膨大な情報と思考の渦に身を置けるようになった。そこでは一部の人しか知らなかった情報が当り前のように入手でき、誰かがそれを見つけては「Ω ΩΩ <な、なんだってー」を繰り返して来たのである。
GIGAZINEの問題の記事 もそのうちのひとつに過ぎない。陰謀論云々はともかく、 年次改革要望書 の存在を広く知らしめた功績は馬鹿にできたものではない。
我々は進化している。ネットも10年前とは比べ物にならないほどの情報量と正確さを備えている。 きちんとした英語を書けないなら日本語だけ書いてろ みたいな言い方をする人もいるが、きちんとしてなくてもどんどん書いた方が有益なのだ。極一部の「そんなもの常識でしたが?」的な発言など気にすることは無い。 にわかな奴ほど語りたがるの法則 なんてものもあるが、最後にポジティブな応用例が書いてある。逆に言えばにわかなうちに語っておけ(=アウトプットのチャンスはにわかなうち)ということなのだ。
そういうにわかな奴のアウトプットも蓄積していくとものすごい量になり、ツッコミも同時に見ることができる。 「陰謀論というよりはガセネタ」などという役に立たないツッコミではなく、もっと有益なツッコミが見れる事も多い。
そうして我々は進化して来た。
だからGIGAZINEはえらい。にわかでもなんでもきちんとアウトプットを出し続ける姿勢は見習うべきものがあるし、今回の著作権まわり、法改正まわりの記事は良質と言ってもいいだろう。せっかくそういう記事にお金が入る時代になってきたのだ。ぜひこれからもがんばって記事にしていってもらいたい。
……もっとも、いつもの海外で見つけたネタを写真パクって紹介するだけの記事はかんべんしてもらいたいものだけども。
(@527)