狐の王国


2005年04月10日() [過去の今日]

#3 電脳の教室 [コンピュータリテラシー]

アマゾンから届いたので読んだ。 そもそもは 武蔵野美術大学 の「コンピュータリテラシー」という科目の教科書として作られたものだそうだ。 それだけによくできている。

元々、このようなコンピュータを「専門外」で使う人向けの本は必要だと思ってたし、また自分で書けないかと考えたこともある。この本は俺の考えてたものより内容が薄いが、最初はこれくらいでなくてはならないだろう。

まず情報とは何か、という基本的な疑問を解決していくところもいい。実技に入る前にコンピュータとネットワークの仕組みを学ぶ構成も、重要なところを押えてるという印象だ。「Windowsの使い方」「MS-Officeの使い方」を書いた本が氾濫する中で、時代に左右されにくい基礎の基礎をしっかりと教えてくれる。そう、DOSの時代から使ってる人間には常識だが、時代によってスタンダードは変わるのである。WindowsやMS-Officeに特化した学習をしても、10年後には役立たないゴミ知識になる可能性が高い。その点で、この本は現状にも気を配りながら、普遍的な説明も多く記述されてる。非常に好感である。 ただ、31ページのUNIX系OSの説明で、Linuxや*BSDなどのオープンソースソフトウェアを「フリー(無償)ソフト」と表記していたのは残念。これは「自由」という意味の「free」なのだが、それを説明すると冗長になるので省いたのだろうか。

このような情報の欠如等はこの本には意外と多い。これはそもそも大学の授業の教科書であるので、それを考えれば講師がサポートする余地を残したというところだろうか。実際、この本は市井のパソコン教室でも利用可能だろう。俺も人にパソコンを教えてくれと言われることが多いが、その時はこの本を教科書として教えたい。

もちろん、普通の入門書としても悪くはない。 インプレスのできるシリーズ のような実践主義の本ではないが、コンピュータとネットワークの本当の意味での入門書として、その名の通り「コンピュータリテラシー」を身につけるための基礎として、この本をおすすめしたいと思うのである。

(@950)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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