2006年12月03日(日) [過去の今日]
#1 読解力
「はじめに言葉ありき」は本当か? という記事。
どう見ても読解力の話なのになぜか読解力という言葉が出てこない不思議な記事だというのが俺の感想。
しかし、
「言葉から受ける影響」の自己管理だけではなく、観測者の人も含めて外部の言葉を感情に直結させるのはマズいと思う。セキュアOS風に「汚染されている」言葉として、感情からは切り離しておかないと。
私にとって以上の文章は「え?みなさんそうしていないのですか?」というほど当然で、それがゆえに私は「空気嫁」なのだろうと思い至る。
この感覚はある種、geekに属してるような人間は誰でも根元的に持ってるんじゃないだろうか、と思った。
空気が読めないというのは俺もそうなのだが、いろいろ考えていると、言葉というのはただのトリガーであって、実際の意味はそのトリガーが引かれた結果が内的に発生してはじめて意味を持つ事に気付く。となれば、言葉以外のトリガーでも意味が通じる場合は容易に想定できる。
つまるところ、「(言葉以外の)同じトリガーを与えられて同じような意味を内的に発生させられる」ということが「空気を読める」ということなのだろう。geekは人とちょっと違った感性を持つがゆえにgeekなので、空気が読めないのは当り前ということになる。逆にスーツどもにはgeekの空気が読めないというのは、実体験がある人も多いだろう。
言葉を理解するというのは、トリガーと意味を対応付けられるということだ。しかし万人が同一の意味に理解しているわけではない。また、コンプレックスに触れるような言葉である場合、トリガーが本来発生させるはずの意味ではなく、悪意が含まれる意味を発生させ、ニュートラルな意味として受け取ってもらえなくなる場合も多々ある *1 。
こうしたトリガーの集合体が文章だ。これをソースコードとすることに俺は異論は無い。
だが我々の中にはコンパイル済みの言葉がたくさんキャッシュされている。キャッシュにあるものはコンパイルされずに、キャッシュから取りだされた意味だけが自己の内側に発生する。こうしないと処理に時間がかかってしょうがないので、当然の対応であろう。実際に毎度毎度コンパイルし直してる人などいないはずだ。
しかし全てがそうかというと、それも違う。まず触覚、嗅覚、味覚の三つに関しては、ずっと「バイナリー」感が強い。
これも当然の話。言葉というトリガーを介さないのだからね。相手によってバイナリー感が強い言葉になるのは、コンパイル済みキャッシュの量の問題であろうと、俺は考える。
キャッシュは当然バイナリだから、キャッシュばかり使ってると「バイナリー感」をたくさん味わうことになる。読解力の不足というのは、キャッシュに頼りがちな言語理解そのものだと、俺は考える。誤コンパイルされたままキャッシュしている言葉もたくさんあるし、組み合わせが似てるだけで別の意味のはずのものをコンパイルせずキャッシュから取りだしてしまう事もままある。
つまり 「 言葉は見た瞬間自動実行されるバイナリみたいなもの。 」というのは、キャッシュを使ってるというだけのことだ。ちゃんとコンパイルし直せば、キャッシュされた意味ではない意味で実行される。何度コンパイルしなおしてもキャッシュされた意味と変わらないなら、それはその文章が解析できてないか、あるいは真理が語られているのだから真摯に聞けばいい。
(@801)
@ 手動トラックバック(笑):
関係ありそうなrefererが送られて来たので、手動トラックバックしてみるテスト。 100文字だろうが2000文字だろうが、自分の文の意図が誤解されたら「読み取れない読者が悪い」とは思わない方がよい