狐の王国


2006年11月12日() [過去の今日]

#2 OSSへの投資は見返りが見えないかも

小飼弾氏の記事 で、

私は2002年は原稿料以外は無収入でした。Perl 5.8の開発に没頭していたからです。

(中略)

問題は、今のところ、open source "economy"では、「リアル」で稼いだ分を寄贈するというもモデルしか持っていないことにあります。

これは投資した分の見返りが直接見えない形で還元されてるのでは?

もし誰もperlの開発に投資してなかったら、今のLWL時代はあったろうか? LWLがあるからこそ低コストでやりたいことが実現できるようになった。その価値は不可視かもしれないけど、確実に存在してる。

もちろんそんなことはわかった上で書いておられるのだろうが、OSSから利益をまったく得てないような言い方はあんまり感心しない。

たぶんOSSを書くことで直接金銭が入って来るようなモデルがないことを言っておられるのだと思うけど、それは顧客が気付かないと無理。

OSSって売る側にはあんまりメリット無いからね。逆に顧客が要求仕様にOSSであることという一文を盛り込む事は大いにメリットがある。このへんはそれこそ伽藍とバザールを読めばわかる(と思う)。

まあそんなわけで、こちら側から提起してどうにかなるもんでもないと俺は考えてる。顧客がOSSであることを条件に発注すればベンダーロックインがふせげるということにまず気付かないと無理。顧客が自分の社員を開発に参加させないとアジャイル開発はうまく働かないのと一緒。結局どちらも顧客の意識に依存した問題なんだな、と俺は考えているのだが。

(@474)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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