2006年10月09日(月) [過去の今日]
#1 時代が加速していく
ユーチューブ、メディア企業3社とコンテンツ契約を締結 というニュースを見た。
いよいよyoutubeに口説き落された企業が増えて来た。時代が確実に加速しはじめてる。胎動の時は終った、といってもいいかもしれない。
有名なSFドラマシリーズ「スタートレック」では、フードプロセッサなるものが出てくる。これはコンピュータに料理を注文すると、合成して作ってくれるという夢の機械。ドラえもんのグルメテーブルかけといったほうが、通じやすいだろうか。
フードプロセッサが実現したら、料理人はどうなるだろう。一度作った料理を登録しておけば、何度でも同じ料理を一瞬で合成してくれちゃう。料理が「コピー可能」になる。周富徳さんじゃなくても、フードプロセッサさえあれば極上のフカヒレ中華がいつでも食べられる。スターバックスに行かなくても、「スタバのカフェラテ」がいつでも飲める。原材料はそこらの分子を使えばいいので、タダ同然だ。
料理データに著作権が主張され、保護されるかもしれない。でもきっと料理データは料理を小さい機械で数秒スキャンするだけで取得できるだろう。一度お店でスキャンされてしまったら、そのデータはインターネットを通してどんどんばら撒かれ、誰でも手に入るようになるだろう。
料理が合成できるなら、どんなものも合成できる *1 だろう。品質のいい工具や高価な車だって合成できる。宝石もブランドもののバッグもだ。フードプロセッサでフードプロセッサを合成できちゃうかもしれない。もはや「フード」プロセッサじゃないけども。
そんな時代が、いつかやってくるかもしれない。その時、経済は消えているだろう。あのスタートレックの世界と同じように。しかし、敢えて経済がのこってるとして、この時代に何を価値として経済をまわせばいいだろうか。
答えは、ライブだ。
料理がコピーされたって、それは過去の料理だ。お店の雰囲気と今作りうる最高の料理にかなうはずがない。陶芸家の最高傑作をコピーされたって、明日作る陶器はそれを越えるかもしれない。
コピーはタダ同然。でもコピーできるのは過去だけだ。今と、未来はコピーできない。
だから俺たちは、今日も何かを作っている。それは明日にはコピーされてるかもしれない。だがそのコピーが出回るとき、それはもう過去でしかない。最高傑作は、いつも未来にある。
(@810)