狐の王国


2006年05月30日(火) [過去の今日]

#2 DVDプレイヤー1台あたりの特許料は20ドル以上

日系BPの記事 で知ったのだが、中国のDVDプレイヤーに課せられてる特許料は、20ドル以上にもなるらしい。上記リンクの2ページ目から引用するが

2002年から今日までに、DVDメーカーから特許使用料を徴収する機関は当初の1機関から37機関に増え、特許使用料も当初の1台あたり5米ドルから20米ドル強へと上昇した。

だとさ。

つまり、およそDVDプレイヤー1台あたり、2000〜3000円程度の特許料が上乗せされるということになる。1〜2万程度で買えてしまう中国製DVDプレイヤーの価格を考えれば、値段のおよそ2割が特許料ということになる。

もちろん、 中国の特許侵害 があるからこそ低価格が維持できたのは否めないだろう。だが、ひとつの製品を作るのに、37もの機関に特許料を支払わねばならないということの異常性は認識しておきたい。 これは規格の複雑さを端的に表してると思うが、その複雑さゆえの弊害もある。

しかも「もっと厳しいのは、この先まだどれだけの特許使用料を支払わなければならないのか、われわれにも見当がつかないことだ」。

こう述べられる言葉を信じるなら、もはやちょっとした企業規模じゃ、ひとつのジャンルにおける特許の存在すら、調べつくせないということになる。

無いものを無いと証明するの事の難しさは、幽霊の例で有名である。いま、作っている製品に他社特許がこれ以上無いと証明するのは、難しいのではないだろうか。特許が、知的財産が、幽霊のようにあるかもわからぬ状態で背後に忍び寄ってるのではないかとおびえながら、仕事をせねばならないのか。

だとしたら、小さな企業はもはや参入不能である。特許を保有し、規格制定の段階から関わった大手数社だけが利益をあげられる仕組みと言ってもいいだろう。まるで談合のようだ。

知的財産の保護は重要であろう。それはわかる。しかし、新規参入すら妨げるような仕組みでは意味が無い。

解法としては、先行技術調査のコストを下げ、保護期間を短くする事が考えられる。特許データベースの検索性をあげることや、データ形式を現在のjpegファイルではなく、OpenDocument形式にするなど、検討してもらいたいものだ。

(@186)

この記事のURI

最近の記事

以上、1 日分

タイトル一覧


カテゴリ分類
Powered by hns-2.19.8, HyperNikkiSystem Project

過去にこの日記が置いてあったcgi.misao.gr.jpは廃止されました。それによって記事へのURIが変わってしまっています。cgi.misao.gr.jpをwww.misao.gr.jpと置き換えるだけで同じ記事にアクセスできるはずです。

Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
日記管理ページ