2006年05月06日(土) [過去の今日]
#2 キレやすいのはなぜか
前の記事と関連はしてるのだが、話の中身には関係無いので別個に書く。
キレやすい、我慢できない、そういう人が増えてるのだという。ニュースで見掛ける事件にそういうのが多いから、そういう印象を受けるのだろう。実際は増えたのか減ったのか、と聞かれたら、「実は変わってないんじゃない?」という答えもありえるかもしれない。
でも実はそうじゃない。実際にキレやすくて我慢できない人は増えているはずなのだ。
人間というのは、快楽 *1 を知らなければ快楽を我慢できるのである。知ってしまった快楽を我慢するのは、ものすごくストレスになる。そして現代は、たくさんの快楽が溢れている。
子供の頃からタダ同然でテレビが見られて、そのテレビは24時間延々と視聴者の脳内に快楽物質を発生させるように作られた *2 番組を流し続け、水が当り前のように水道をひねれば出てくるのはおろか、お湯まで当り前のように出てくる。交通機関の発達で遠出も楽になり、庶民が負担できるコストで外国に見聞しにいけるようにまでなった。PCとインターネットが当り前にある時代では、小さな図書館で必死に資料を探すなんて想像できなくなりつつある。
これだけいたれりつくせりで快楽を享受できる環境にいれば、我慢する力など培われるはずはないだろう。アメリカのエコーブーマー世代も、「すぐ結果を求めがち」という傾向があることはよく言われてる。
では不便な生活に戻ればいいか、というと決してそうではない。教育が必要なだけだ。だから俺は子供の夏休みには、ぜひキャンプなどに連れていってあげて欲しいと思う。そこで火を起こしたり、魚を取ったりして、昔の生活に近いものを体験させてあげてほしい。自分が連れて行けなくても、そういう体験学習をやってるところはいくつもある。そこにほうりこんでやるのもいいだろう。
別に毎日我慢などさせなくていい。必要な時に我慢するだけの力を培っておいてあげてほしいだけだ。そして、それはそんなに難しくないはずだ。
(@481)