2006年05月06日(土) [過去の今日]
#1 こっちもどうでもいいや
某所でリンクもトラックバックもしないと宣言されつつ、 先日の記事 に反応があった。あちらに追従してこちらもリンク無しにしておこう。
「なんでもやっていいわけじゃない、我慢すべきところは我慢しろ」なんてのも当然の話ではあるんだが、だからって目の前にニンジンぶら下げられて手を取らずにいられるかというのは別の話。
一言いいたいのだが、「版元のわがまま」と「作者のわがまま」はまた別個の問題だわね。作者がもっと人に見てもらいたいと思ってても、版元のわがままで見てもらえないなんて事例はあちこちで散見される。
しかし、よく見てみれば、俺がこんなところで版元にエールを送る必要は無いのかもしれない。HDDレコーダという商品がこの世に産まれてずいぶんたつが、これを「Winnyみたいだ」と形容した人を見掛けたことがある。
最近よく知られるように、Winnyユーザーは検索ワードに引っかかったファイルを全部ダウンロードするように設定し、気に入ったものだけ見ているらしい。HDDレコーダにも実はキーワード設定があり、そのキーワードに引っかかった番組を全部録画するように設定できる。キー局だけでなく、CSなどの番組も含めればその数は膨大であり、見切れない程の番組が録画される。
こういう視点でHDDレコーダを見てみたとき、これは「合法的なWinny」なのだと言うことができる。「わがまま」と形容されたWinny的需要を(部分的ではあるが)金に変えたという点で、先日の記事で例示したiTMSやアマゾンと同じわけだ。
偶然にも時を同じくして、アルファブロガーと呼ばれるような人たちも同じことに関心を寄せていた。 たけくまメモの「ソフトがタダになる時代」 と、その返答である 404 Blog Not Found の「タダより儲かるものはない時代はくるか?」 だ。 そこで見つけた b3 annex の「フランス国立視聴覚研究所(INA)がネット公開した番組10万本の衝撃 や、 50万本のNHK番組をネット配信解禁検討というニュース 、さらにはYouTubeの興隆、 そのYouTubeのフジテレビ版 などなどを見ていると、もはや何も語るべき事は無いようにも思える。すでに時代は動いていて、それに乗って来てる企業がこれだけ出てきているからだ。
そういう意味では、こちらとしても「もうどうでもいいや」な話なのかもしれない。
@ ただし……:
ただ、ひとつ言えることは、アンダーグラウンドでのファイルのやりとりが無くなりはしないだろうということだ。彼らは金を出すのが惜しくてやってるわけじゃなく、それ自体が趣味になっているからだ。
Winnyが興隆を極めてしまったのは、その容易さと潜在需要の開拓に起因する。潜在需要と容易さの面で勝てば、Winnyユーザーはぐっと減るだろう。残りはどのみち金にならない「趣味的」な連中なので、放っておけばいい。アンダーグラウンドがアンダーグラウンドに帰るだけのことだ。
(@451)
@ 追記:
もちろん、不正を放置しろと言ってるわけじゃない。どのみち金にならないところにコストかけるのはバカらしいぞ、というだけのことだ。