狐の王国


2006年01月01日() [過去の今日]

#1 あけましておめでとうございます

そういうわけで(JSTで)新年を迎え、さっそく近所の神社に行って初詣。

そして新年一発目のネタとして、「恋みくじ」なるものを引いてみた。普通のおみくじが200円なのに、恋みくじは300円。たっけーなーと言いつつ引いてみると以下のような内容

中吉
星座: 蟹座、牡牛座が最良運。魚座でもよい。
血液型: AB型が最もよい。A型でもよい。
年齢差: 五歳以上の差があるとよい。
十二支: 酉年生まれの人がよい。
方位: 南か東北の人がよい。北は避けたほうがよい。

……いきなり星占いですか。

ていうか蟹座か牡牛座か魚座でAB型かA型で五歳以上の差があって酉歳生まれで南か東北にいる人っていったい誰よ。そんな都合のいい人おるかー!

(@738)

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#2 Linuxでのうるう秒の処理

ほほう、NTPにうるう秒のビットがあって、それを見て処理するのか。確かにdmesgに

Clock: inserting leap second 23:59:60 UTC

とあるな。

なるほどなるほど、NTP偉大なり。

(@889)

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#3 Reply

「肝心なところ」というのは 前回記事

何故、生産したコードを利用する開発者のコードの開示まで要求するのでしょうか。
何故、既存の特許権の侵害までをも自由に含めたがるのでしょうか。

だと思いますが、 前者については私の考えとして、フリーライド抑止効果について語っておきました。もちろんGNU側は著作権法におけるソフトウェア保護への反対運動 *1 ですから、GPLが拡大し、事実上ソフトウェア著作権が行使できない、行使されても影響が無い状態に持って行きたいから、ということでしょうけども。

後者についてですが、特許についてよくわからないので何とも言えないと書きました。またGPLv3における特許対策はまだどうなるのかわからない *2 ですし、「侵害の自由」というのは誤解の産物であろうと考えています。

GPLの特許問題については、その後 参考になる記事 を見付けたので、引用します。

また、「GPLは特許に対して何の手当もできていない」と岡村氏が話すよう、特許との関係についてGPLはもろい部分がある。前述の図で言えば、GPLソフトウェアにAの著作権がもともと含まれているケースや、改変部分にBの特許が含まれるケースに関して、それを禁止する条項がない。また、第3者の特許が含まれている場合は、その特許権者はGPLの契約当事者ではないから、GPLに拘束されずに特許権を行使できる。この場合、当該GPLソフトウェアの配布を断念するか、地理的な頒布制限を加えて配布するしかない。「プロジェクト潰しなどを狙って第3者の特許を含んだコードを加えられる危険性もある」(岡村氏)

ということは、このような第三者保有の特許による攻撃や、自分の特許を埋め込んでGPLを無効化(できるのか?)するような事を防ぐための改訂作業だと私は考えます。 一部の噂にあるように、特許を無効化したり特許保有者の権利を侵害したりするような改定になるのなら、改訂作業者の間で反発が出るでしょうし、そうでなければGPLv3は社会から無視される事になるでしょう。

しかし、たとえGPLコードに含まれる特許に関して特許権を行使できないとする条項が入ったにしても、その特許のGPLでの実装にOKを出すのは特許権保有者ですから、実際には問題にならないでしょう。問題になるとしたら、ソースコードと同様の扱いを特許に対しても行うという場合でしょうが、その場合は松田さんの心配通りということでしょうね。それは私もそうならないことを祈りますし、なったら私もGNUシンパ *3 ではいられないでしょう。ことによれば、GPLv2でライセンスされたコードによるGNUシステム全体のforkが起こり得る事態だと思います。それ故にそうはならないとも思っていますが。

フリーライド抑止効果の有無:

私の例示した事例はあまりよくなかったみたいですね。しかし、フリーライドを根本的に防ぐ充分な武器とは、クローズドソースによるproprietaryな配布形態でしょう。著作権法が守ってくれますし、もっとも効果が高いと思われます。

順番でいえば、proprietary -> GPL -> Artistic -> BSDL の順番にフリーライド抑止効果が高いでしょうね。GPLはproprietaryよりもフリーライドを許容してると考えられます。そしてどこまで許容するかは、繰り返しになりますが作者自身の自由意志で決めればいいことです。他人がとやかく言うことではありません。GPLが過剰だと思うかどうかは人によるでしょう。私はシーンによっては過剰だと思いませんし、使いやすいとも思います。

しかし:

GPLを誤解してる人が多いのも事実。とあるソフトウェアなんぞ「GPL的に問題があるかもしれませんので、改変再配布はご遠慮ください」とか書かれてびっくりしたことが。

そういう意味でも、GPLを正しく理解し、メリットデメリットをきちんと把握することを助ける文書は、もっとたくさんあっていいだろうし、こういう議論が検索エンジンにひっかかることも有益だろうと思う。

リンク:

現時点でコメントしてくださってるページを紹介。

どっちが頑迷なんだ(2005年12月30日)

ライセンス変更交渉については難しい面も

(@931)


*1: 著作権保護は長すぎるので、工業権の範囲内でおさめるべきだったのは確かだろう。もっとも、工業権の保護もソフトウェアのライフサイクルから見ればやや長すぎる印象がある。
*2: 一部の噂として特許を逆攻撃、あるいは無効化するような条項が含まれるのではないかという話は聞きいてるが、実現性も含めて眉唾な話に聞こえる。実際のところは1月の会議後に出るdraftを見る必要があるだろう。
*3: もっとも、自分自身はGNUシンパというよりDebianシンパに近いと思う。GNUの思想よりDFSGのほうが好きだからだ。non-freeを許容する姿勢も現実的だし、多様性の維持という面ではGNUの考え方より優れてると思う。
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2006年01月06日(金) [過去の今日]

#1 見直しがすすむGPL(2/3)

汚し飯 でハッケソ。

むう、やっぱりソフトウェアと特許はややっこしい問題を抱えてるなあ。フリーソフトウェアの場合、商用のソフトウェアとは違って、製作者と配布者が別個であることが多いため、配布者が特許違反で訴えられる可能性があることは特に重要だろう。改変再配布者にとっても、自分の改変した部分に特許違反が無くても訴えられる可能性がある。実際に、ジャストシステムと松下の裁判では、マイクロソフトのライブラリにあった特許違反(最終的には否定されたが)をジャストシステムやそのソフトがプリインストールされてるPCを売ってたソーテックが訴えられるという、ある意味非常に深刻な状況があった。GPLソフトウェアに対して特許権侵害で訴訟を起こす相手には罰則が必要ではないかという意見もあるそうだ。

これらは次期版GPLに向けて現在議論されている問題だ。「そうした罰則を定めれば、特許武装した著作権侵害者からオープンソースコミュニティを守るのに役立つかも知れない」と、ソフトウェアに対する特許全般を声高に批判するStallmanはいう。

このストールマンの言葉に問題が集約されてるね。「特許武装した著作権侵害者」だってよ。

通常、特許で武装してたとしても、著作権を侵害することは難しいだろう。例えば「隙間風/がなる扉に/乗る雪よ」という俳句があったとして、各節の頭を切り出すと「すがの」という自分の名前になる特許があるからそれは特許侵害だ、などと言うような事はまずありえまい。

しかし、ソフトウェアは著作物でありながら工業製品としての側面を持つ(というよりむしろ本質だろう)ため、特許対象にもなり得てしまう。それゆえ著作権と特許権が衝突してしまうのだろう。これは著作権との二重保護にも問題があるし、ソフトウェア上の特許そのものにも問題があるようだ。

wikipediaのソフトウェア特許の項目 が参考にはなるが、やはり非常にわかりにくい。どうもいくつかの問題が混在してるようだが、ちょっと正確に切り分けられる自信が無い。

だが、わかったのは一つはどこまでがソフトウェア特許なのかという「範囲問題」であること。もう一つはソフトウェア特許によるコストが問題視されるほど膨大になりつつあるということ。そして三つめは、ソフトウェアは先行技術調査が難しいということだ。

要するに特許法で保護するのに不適な特性を持っているということだろう。なれば、著作権との二重保護も含めて、ソフトウェア特許に反対する充分な理由はあるということになる。

調べる過程で見付けた(というか思い出した)のだが、マイクロソフトはPC販売メーカー各社に対して、特許非係争条項をOEM契約に盛り込んでるそうだ。要するに表題記事中のBruce Perens氏の言うような、

「次期版GPLに、例えば、ある人物が特定のフリーソフトウェアに関する特許権を行使したら、その人間のフリーソフト使用権が消滅するといった、相互防衛条項が盛り込まれることを期待している」

というのは、このマイクロソフトの事例と同じことをやろうということだろう。 こういう契約自体は批判もあるようだが、現状では致し方無しということになるのだろうか。

だが、法律は変わる可能性も大きく、また批判が高まってるソフトウェア特許においてはその可能性も少ないとも言えないだろう。実際、 欧州議会はソフトウェア特許法案を否決 している。

さらにGPLを適用するためにGNUが用意してる例文には、GPLの後継バージョンが自動的に適用されることが書かれている。こういう状況においてGPLv3にそのまま特許非係争条項を盛り込むような形は、やはり望ましくないのではないか。せめて特許非係争条項付きGPLというような、別のライセンスを用意するべきではないだろうか。そうでなければUNISYSのGIF特許事件のような、後出しジャンケンになってしまわないか。

知的財産保護は重要だが、他人の知的財産や生産活動をおびやかす程の保護は悪でしかないだろう。現状の特許制度がまさにそういう性格を帯びて来ているのではないかという疑念、そしてソフトウェアライセンスにおける特許非係争条項にそういう性格が無いかという疑念、この二つはトンネルと出口と入口のように見える。これらは、両面から掘り進める必要があるだろう。

(@308)

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#2 日本のセキュリティチームのBlog

ひろの日記帳 でハッケソ。

むう、これ本物なのかな。MSのセキュリティチームのBlogなんだそうだが。

トップページ を見るとMicrosoft Communityと書いてあるし、マイクロソフト社の名前で著作権表示がされてはいる。 だがドメインをwhoisしてみると、InfoVisionとかいう会社が所持してる。一応 infovision.co.jpもexconn.netも、プライマリネームサーバが dns.microsoftkk.com だったりはするんだが、これは信頼性とはまったく関係ない *1

うーん、こういうのはちゃんと本家サイトと相互リンクして、妥当性が示せるようにしてもらいたいなあ。たぶん、内容とかどこかの紹介とかで本物と判断できるだけの材料は(探せば)あるんだろうけど、ぱっとわかるようにしておいてもらいたいと思うのは贅沢なんだろうか。

(@619)

本物らしい:

ハッケソ元のひろさんから情報提供を頂き、 MS TechNet からリンクされているとのこと。


*1: ネームサーバの指定はドメインを取った側が自由にできるので、他人のネームサーバを指定しちゃってる可能性は否定できない。
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2006年01月08日() [過去の今日]

#1 secure apt

ふむ、apt-get update で NO_PUBKEY なんてエラーが出るから何事かと思えば、そういうことか。

ということで ftp-master.debian.org から鍵ファイルを拾って来て apt-list add したのだが、ftp-master.debian.org が改竄されてたらやべえよなあ。gpgを使ってキーサーバから取得し、exportしたほうがいいのかな。

(@599)

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#2 文明の衝突

/.-j などでも話題になってるが、これは文化衝突なんてもんじゃないだろうと思う。ようは人の話を聞いてないだけじゃないか。

目的外の利用法を活用するのは悪いことじゃないが、それが迷惑行為になってる事に気付いてないのではすでに文化とは呼べやしない。某blogでガンダム話題を書いたら大量のトラックバックが送られて来て、いったいどうなってるんだと書いた人が相当震え上がってた、なんてことがあったが、アニメ感想blogコミュニティとやらのおかしなトラックバック利用法がコミュニティ外にまで漏れ出してる証拠だろう。もちろんそういう漏れ出したところから広まって行くのが文化というものだから、漏れ出す事自体はどうでもいい。だがそれを迷惑だと思う人が少なからずいることを考えていない。

迷惑行為をしたことがない人は迷惑行為について語ってはならない とまで言うサイトがあるようだが、これは論外だろう。自分の見えてる範疇で迷惑だと思う人がいないだけで、誰にも迷惑をかけてないと勘違いするという、十代の若者にありがちな思い上がりとまで言ってしまおうか。機能の利用頻度が高い人を優遇するべきだという発想もおかしい。自動車のオートマティック・トランスミッションには、アクセルを急に深く踏みこむとギアが一つ下がって急加速するキックダウンという機能が組み込まれてる。これは高速道路に入るときなど、車速を急激にあげる必要があるときに使う目的で組み込まれており、決して街中で急加速するためにあるわけではない。街中でキックダウンを頻繁に利用し、騒音を撒き散らし他者を危険に陥れながら「我々はキックダウンの頻繁な利用者だから、キックダウンをもっと発生しやすくするべきだ。目的外の利用法を差別するな」等と言うのは、おかしな話であろう。

上述の/.-jの記事に 『この件で騒いでいる方に「トラックバックセンターやリングって知ってる?」と聞いてみたい。』 というコメントがあった。正直このコメントがスコア0なのは惜しい話だと思う。キックダウンの加速を楽しみたいなら、サーキットなりなんなり人の迷惑にならないところでやればいい。それがトラックバックセンターやウェブリングであろう。

人の話を聞かず自分の都合だけで自分の視野の狭さをかばおうとするのは愚かな行為としか言いようがない。 表題記事のひろさんは『TB の仕方についてコンセンサスがない以上、自分の考えを人に押し付けようとせず、相手の希望にも配慮してほしい、ただそれだけです。』とおっしゃられるが、むしろ「コンセンサスはある」のだろう。 絵文録ことのはというサイトの記事 で「言及リンク文化圏」とされてる人たちの間では少なくともそのコンセンサスは存在し、そのコンセンサスを元にして実際のトラックバックフィルタが実装されてるわけであろう。そのコンセンサスを見てないのか見てみぬふりをしてるのか、とにかく無視している連中がいる。そういう人間の集合がある程度の規模まで増えて、一見「文化圏」に見えるため、穏健派がそういう似非文化圏に対して配慮した発言をしはじめてる、というのが現状であろう。

で、まだ例のアレを実行できないわけで:

やっぱりトラックバックは枯れてないなあというのが正直なところ。ますますトラックバック機能を載せる意欲が失われて行く。

正直、リンクの存在を根拠にトラックバックを許可するのは、あまりいいことだとも思わない。URIをHTML中に適当に埋め込んでおけば通ってしまう可能性が高いからだ。本文中であるとか、コメント外にあるかとか、そこまでparseしてはいないだろうし、ある程度してたにしても回避のしようはある。

根本的にはトラックバックは承認性にするべきだろう。そしてウェブには表示しない。記事の著者に通知するための機能なのだから、わざわざ表に出す必要は無いのではないか。出すにしても、例えばRSSにだけ記事のプロパティとして書かれるとか、そういうやり方がよいのではないだろうか(RSS規格の拡張が必要かもしれんが)。

広告媒体として都合がいいから利用されるのである。表に出にくければ利用もされまい。そして読みたいと思う人間にとっては、多少隠れてるくらいのことはどうということもないはずだ。

(@602)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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