狐の王国


2003年11月19日(水) [過去の今日]

#1 JustSystemオリジナルPC

/.-jにもタレコんだのだが、却下された模様。おもしろいネタだと思うんだけどなあ。

で、このオリジナルPCってのがNECのビジネス向けモデルで、 121ware ではなく NEC8番街 の扱い。しかしNECのカタログには無いモデルっぽいね。ビジネス向けだから当然だけど、WindowsXP Home Editionなんて採用してるモデルが存在しない。ジャストシステム向けのオリジナルエディションってことかなあ。

そういうわけで、ハードウェアのスペックが同じでWinXP ProとOfficeXPが乗ってるモデルと価格を比較してみた。ジャストシステムのデスクトップは198,000円で、OfficeXPモデルの同機種(PC-MY24XBHFSS8D)は242,000円。ノートではジャストシステムが218,000円でOfficeXPモデル(PC-VY22XRFFJEHL)は226,000円。価格面でもけっこう頑張ってるね。WinXPがHomeかProかって違いはあるにせよ、かなり安いんじゃないかと。

ジャストシステムも自社ソフトがバンドルされなくなったので、必死なんだろうね。Linux用一太郎&ATOKもそうだし、使ってさえもらえれば良さがわかるという自信はあるんだろうなあ。MS-Officeが最初から付いてたら、そりゃ新しく買おうとは思わないものなあ。

しかし、これ見て思ったが、こういう形でメーカーPCにLinuxをプリインストールして売ったりはできないんだろうか。サポート内容にもよるが、それなりの需要はありそうな気がするんだが。もしかしたら、ジャストシステムも一太郎&ATOKのLinux版ができたら、Linuxを入れて出すんだろうか。WindowsXPの料金分安くできるしなあ。サポートが大変そうだが。

(@595)

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#2 オープンソース的世界観

ldl -> World Wide Walker でハッケソ。

これはすごい、なるほどという感じだ。一口に言えば、包括的妥協競争と多様性信仰とが上手に綱を引き合って、富豪的知的生産がうまく実行されてる、ということか。資本主義・共産主義との比較もおもしろい。ちょっと引用してみよう。

共産主義は「正解はひとつ、その正解は政府が知っている」という考え方です。資本主義も「正解はひとつ、その正解は市場が知っている」という考え方です。私に言わせると、どちらも最適化信仰です。

オープンソースは多様性信仰、そこが根本的に違います。みんなが違っていることがハッピーなんです。違っているパーツに優劣をつけようとはしない、その代わりにそれを組合せる段階で「包括的妥協競争」をします。ここで最適な解が選ばれるという保証があるので、個別の要素は、多様性があるほどいいわけです。

最適な解というのは妥協競争の結果生まれる。つまり妥協的解はあっても正解は無いってことだね。理系は正解がある世界、文系は正解が無い世界、なんて言われるが、理系にも正解の無い世界があるんだなあ。実におもしろい。

何よりもオープンソースの世界は市場競争より厳しい競争があるというのは、俺にとっては新鮮な見方だった。そういう厳しさにさらされた経験が無いからだろうが、よくよく考えるとすさまじい競争を、しかも堂々と繰り広げてるものだ。資本主義の競争性と共産主義の共有性、それから自由主義の多様性、これらが全部あるのがオープンソースか。実にユニークだ。

(@645)

2003/11/20追記:

でかいの が、この記事を読んで感想を寄せてくれた。それによると、オープンソースの競争はそんなに過激ではない、むしろたいした競争は無いとの事。

パッチの取り込みに関しては、実は寄付金によっても左右されるのだそうだ。言われてみればIBMのパッチはかなりすんなり通ってるし、取り込みまでの時間も短いような気がする。SGIのxfsパッチの取り込みが遅れたのは寄付金の差なのか?

仮想敵としての別ブランチにしても、そう簡単に本家が見捨てられる事は無いので、競争としてはそんなに激しくないのだそうだ。相当理不尽な状況が続かない限りは本家が君臨し続けていられるし、理不尽ではない選択というのもそう難しい事ではないよとのこと。

なるほど、確かに別ブランチを立ち上げたくなるほどひどい状況というのは、そんなには起きにくいかもしれない。確かに競争はあるけど、市場競争よりも厳しいというのは誇張しすぎかもしれないなあ。元の記事で「包括的妥協競争」がブランチ単位であるかパッチ単位であるかが曖昧なせいもあるんだろうけど、ちょっと混乱気味だったかなあ。おそらく元記事では両方の競争を言ってたのだろうけど。

それでもここ以外の部分に関しては妥当な見方であろうし、包括的妥協競争は確実に存在するであろう。全体を否定する意見では無いと思われる。

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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