狐の王国


2007年05月05日() [過去の今日]

#1 ゆとり教育批判しながら親学提唱する奴は全体像が見えてないんじゃないか

今朝、たまたまTVを見ていたら、教育問題を取り上げていた。ゆとり教育の弊害云々、インドのインターナショナルスクールのカリキュラムが云々。それ自体はまだいいのだが、それに続いて例の「親学」の話をしていた。親に教育が必要なのだと。

この矛盾に気付いた人はどれくらいいるだろうか。

今の親の世代というのは、ゆとり教育導入前の世代である。その彼らに「教育が必要」と言わなければならないのはどういうことか。

簡単に「ゆとり世代はもっとひどくなるってこと?」などと考える人もいるだろう。だが、「ゆとり直前世代」にほんとうに教育が足りてないなら、さらに内容を減らすという決定が下るわけがない。

何度も言っているが、そもそもゆとり教育以前のカリキュラムは、多すぎてこなしきれてなかったのだ。受験も激化していたし、夜の9時10時頃でも塾通いの小学生を街で見かけていた。さらに多様化する価値観に翻弄され、進学以外の道をきちんと歩めるように誘導しないといけなかった。しかし、当時のカリキュラムはいっぱいいっぱいで、とてもじゃないがそんなところまで手がまわらなかった。

その頃の子供たちが、今批判されてる親たちなのである。

彼らは教育が足りないのではない。教育が偏ってるのだ。そりゃ家庭内で情操教育をしなきゃいけない時間まで塾に通っていたら、おかしくもなる。そうでなくても753教育などと言われ、小学校で7割、中学校で5割、高校で3割の内容しか身につかずに卒業して行くと言われてたのだ。ゆとり教育への流れは必然だった。

よく他国の教育システムをして「あちらの子供は学力がある。カリキュラムがしっかりしてる」などと言う報道があるが、彼らはそうまでしても勉強しなければ国力が上がらないからそうしてるのである。そこまでしなくてもちゃんと生きていけるから、日本は先進国なのである。

冒頭のTV番組は、その後はワーキングプアの話だった。そういうワーキングプア世代もやはりゆとり教育前夜世代だ。

もちろん、教育だけの問題ではない。しかし、彼らがおかしくなった根底には、ゆとり教育以前の壊れた教育システムが存在してたことはひとつの事実であろう。

ゆとり教育前夜世代も、ゆとり教育世代も批判するというなら、それこそきちんと代案を提出してもらいたい。文句を言うだけじゃ何も変わらない。

せめて教員の育成や他業種からのスカウトくらい言ってもいいんじゃないかと思う。

(@365)

この記事のURI

最近の記事

以上、1 日分

タイトル一覧


カテゴリ分類
Powered by hns-2.19.8, HyperNikkiSystem Project

過去にこの日記が置いてあったcgi.misao.gr.jpは廃止されました。それによって記事へのURIが変わってしまっています。cgi.misao.gr.jpをwww.misao.gr.jpと置き換えるだけで同じ記事にアクセスできるはずです。

Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
日記管理ページ