2005年03月27日(日) [過去の今日]
blogmap でハッケソしたのだが、いいインタビューだ。産経新聞の記事だから、都合良く改変されてるんじゃないかと思ったのだが、一番都合の悪いところをがんがん書いてくれている。産経、意外にやるじゃん。
実際のところこのインタビューにおける堀江氏の発言はまったく正しい。メディアの恣意性は危険だし、ネットと放送をもっと密接にすることで新しい商売ができるのも確かだ。ここらに風穴を開ける必要はどのみちある。
が、堀江氏にそれがやれるわけじゃない。
そもそもニッポン放送はパソコン通信の時代からネットと連係を取って来た。当時俺は放送を聞いてなかったが、すがやみつる著「 いまパソコン通信がおもしろい 」 *1 という1987年(18年前!!)に出版された本によれば、ニッポン放送はこの年から2年前、すでに「サーフサイド・ステーション」という番組で車に自動車電話とパソコンを持ち込み、情報の収集と発信を行っていたそうである。また「だんとつタモリのおもしろ大放送」という番組では、パソコン通信で得たアメリカのニュースや事件・事故の情報を「でーたー」というコーナーで紹介するということをしていたそうだ。さらには独自のパソコン通信ネットワークを構築するなどしてきたらしい。これが18年も昔の話なのだ。
こういう企業なら、すでに堀江氏の言うような構想は社内にあったのではないかと思う。はっきりいえば、それらは目新しい構想でもなければ特別なアイディアでもないからだ。ゆっくりと融合が進んでいく中で、唐突に横槍が入れられたというところではないのか。
逆に言えば、ネットと放送の融合はニッポン放送自身が20年もの月日をかけて取り組んで来たものだということにもなる。今現在のニッポン放送のネットに対する取り組みは知らないが、断絶してるということは無いのではないだろうか。リスナーからのはがきがメールになり、ウェブでラジオで流れてる曲名がわかるなど、ラジオ業界全体で融合が進んでるのは間違いないところである。そしてその旗手となる可能性を持ってるのは、ライブドアでもなんでもなく、ニッポン放送自身なのではないかと、この18年前の本を読み返しつつ思うのである。
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