狐の王国


2003年01月20日(月) [過去の今日]

#2 3x3EYES

あまりに鬱々としてるので何もできず、なかなか手を付けられなかった3x3EYESの39巻と完結となる40巻を読みふけった。思えばこの作品を最初に読みはじめたのも、祖父の葬式で何もできる事が無く、一人で鬱々としてた時の現実逃避先として買って来たのが始まりだった。当時はとてもおもしろい活劇作品で、悲しみも無力感もすべて忘れて夢中にさせてくれたのを覚えてる。ありがたかった。

連載開始から15年もの年月を経て、3x3EYES自身ももはや活劇作品とは言えなくなって来た。別冊で出版された解説にも、不老不死というものを抱えこんでしまった以上、人間とは何か、命とは何かという、根元的なテーマを持たざるを得なくなった、と書かれている。そのようなテーマに挑んでしまう作家というのは、説教臭くなったり宗教臭くなったりして、読めたものでは無くなる事が多い。だが3x3EYESはそうはならなかった。作者のインタビュー記事を読んでも、やはり説教臭さや宗教臭さを避ける努力をされていたようだ。

だからああいうラストになったのだろう。明言は避けるが、あたりまえのこと、あたりまえでなければいけないことを、思い出させてもらった気がする。いいラストだったと思う。読んだ時期が時期だけに、命というものを再考する機会になってしまったが。

(@484)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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