2001年12月08日(土) [過去の今日]
#4 「違い」という形容詞?!
チャットで友達と話していて、「ちがくなる」という単語が変換されない、という話になった。そりゃそうだろう、日本語の文法としておかしい。それは明らかだ。
しかし、考えてみるとよく使う単語だ。「違くなる」「違かった」「違くない?」、これらの単語の源泉は、そして品詞は何だろうと考えると、どうやら形容詞であるらしいことが判明した。「堅い」「近い」「新しい」等々の形容詞と、全く同じ活用だ。
ところがである。そうなってくると、「違くなる」とか「違かった」とかの原型は「違い」という形容詞である事になってしまう。馬鹿な、「違い」は「違う」という動詞の名詞形だし、「違う場所」とは言っても「違い場所」とは言わない。「近い場所」とか「新しい場所」とかならちゃんと日本語としてとおるが、「違い場所」はおかしい。
もちろん、もともと間違った用法なのだから、おかしくて当り前だ。だが敢えて、Cannaの辞書に「違い」という形容詞を登録してみる。するとやはり、「違くなる」や「違かった」が快適に変換されるようになった。そして少し友人と話し合ったり、自分の言語感覚に聞いてみたりすると、「違う」というのは動作を表すのではなく、属性を表すように感じる事も判明した。つまり、形容詞として使われるべき単語であるということだ。
もちろん、徹底的に反論する人もいた。日本語としておかしいというのは、少なくとも現時点では確かな事だ。だが、「違い」という形容詞が誕生する黎明期であるようにも感じるのである。言葉は生き物だ、とはよく言われるが、はたして「違い」という形容詞が誕生するか否か、何かとても楽しみである。
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