2008年03月11日(火) [過去の今日]
#2 周囲がMacユーザーだらけになっていくのも納得した7つの理由
というわけでMacBookを購入して1週間たつが、あまりの使い心地のよさにDebian入れる気が薄らいで来た。入れるにしてもVMwareの仮想ディスクで十分じゃないかという気すらしてくる。
なんでそこまで思ってしまったか、というと、理由はいくつも出てくる。
@ 1. キーバインドがUNIXライク:
作業のほとんどをキーボードで済ませる人間には、キーバインドは重要だ。そしてUNIX系のキーバインドが優れているのは、単に俺が使い慣れてるだけでなく、その効率が高いためなのだ。
そのキーバインドが、Macではほとんど戸惑うこと無く使えてしまうのである。理由はMacのキーバインドがUNIXの伝統的なそれにそっくりだからだ。
まず付属のテキストエディタはCtrl+F/Bでカーソルを左右に、Ctrl+N/Pで上下に動かせる。これはEmacsキーバインドだ。
これがテキストエディタのみならず、MacのUI上はほとんどこうなのだ。Firefoxの入力フォームですら使える。Gnomeは設定してやらないと使えなかったのに。
また、いろいろ評判の悪い日本語入力システムである「ことえり」だが、こいつはCannaキーバインドが使える。Ctrl+I/Oで文節伸ばし縮め、Ctrl+F/Bで文節移動だ。Canna使いにはかなり嬉しい。
デフォルト状態でふだんの操作がそのまま使えてしまうというのがホントにすごい。
@ 2. CLI環境も意外に充実している:
最初からEmacsだのrailsまで入ってるのはどうかと思うが、sshやsvn、GNU screenなど日常の作業に必要なものが一通り最初から入ってるのにはびっくりした。
できればこういったものはすべてパッケージにしてaptなりなんなりのようなものでインストールできるようになっていたほうが嬉しいのだが、買ってきてすぐ作業に取り掛かれたというのは非常に助かった。
zshなども入ってたし、dotfileを移して来るだけですぐにいつものシェル環境。デフォルトで入ってるのはどうかとも思うけども、他人のMac環境でもこれだけのツールがそのまま使えると考えると、それはそれで嬉しい。
また、openコマンドが非常に便利で、とりあえずなんでもopenコマンドに渡すとちゃんと適切なアプリケーションで開いてくれる。仮想マシンファイル(CLI環境化ではディレクトリに見えるけど)もopenに渡すとVMware Fusionで起動してくれる。
さらに「アプリケーション」や「ダウンロード」など、日本語で見えるフォルダもCLI環境化では英語表記になっている。これはCLIでは非常に使いやすい。
全部かはわからないがカスタマイズ可能なようで、例えばVMware Fusionをインストールすると「書類」フォルダに「仮想マシン」というフォルダができる。
これをCLI環境で見てみると、~/Documents/Virtual Machines.localized というディレクトリになっている。
Virtual Machines.localizedというディレクトリの中には.localizedというディレクトリがあり、そこに各種言語のstringsファイルがある。ja.stringsを開くと、
"Virtual Machines" = "仮想マシン"
と書いてあり、ここで変換を行ってるのがわかる。おそらく同様のファイルを作ると同じようにFinder上での表記を変えられるのだろう。
@ 3. Spacesが思ったより便利:
や、要するにUNIX系のウィンドウマネージャによくある仮想画面なのだが、見せ方がうまい。
CompizのキューブやCompiz Fusionの横並び(どちらかというとこちらに近い)も悪くないのだが、一望するのに普通に2x2の4画面が出てくるのはとても見やすい。
さらに画面間のウィンドウの移動、画面自体の移動、さらにSpacesを開いた状態でもexposeできる。これが非常に使いやすい。
MacBookの画面は決して大きくは無いのだが、これのおかげで狭さをほとんど感じないで済んでいる。
@ 4. Dashboardも使ってみると便利:
ぱっと広げてぱっとしまえるガジェットセットなのだが、これが以外に便利。通常画面は透過されて見えるので、計算機もはしっこにおいとけば見ながら数値を打ち込んで計算したり、単位換算できたりする。天気予報や世界時計など入れているが、使用頻度は高くないもののあると便利なもの、という感じだ。
@ 5. トラックパッドが使いやすい:
実はタッチパッドが大嫌いなのだが、Macのトラックパッドは意外にもすんなり使えた。
有名な2本指でこするとスクロールの他にも、2本指でタップするとメニューが出てきたり(要するに右クリック)、設定によってはダブルタップ後に指を離さなければそのままドラッグできたりする。
さすがに慣れないので指が痛くなるが、これも使ってるうちに指の皮が厚くなるのだろう。
@ 6. 外部ディスプレイがPlug&Play:
これは嬉しい。MacBookの外部ディスプレイ端子はMini DVIという他では採用してない規格なので汎用性が無いのだが、普通にさせば認識して動いてくれる。
さらにリッドクローズドモードとかいうらしいのだが、スリープさせてふたを閉じた状態でキーボード、マウス、ディスプレイをさし、任意のキーを叩いてスリープ解除してやると、ふたを閉じたまま外部ディスプレイだけで使える。
うちではなぜかこれが動かなくて、一度メニューからスリープさせて本体のキーボードを叩いて復帰させてやったら外部キーボードからも復帰するようになった。謎。
しかしリッドクローズドモードはけっこう使いやすい。普段使いはこれでいいような気がする。むしろこれでデュアルモニタできたりするとホントにメインマシンとして使えてしまう気がする。
そのへんはワイド型の大型モニタが解決してくれるのかもだけどね。
@ 7. Front Rowおもしろい:
俺が買ったMacBookからはリモコンが別売になったのだが、標準でリモコンが付いてた理由がよくわかった。Front Rowというアプリケーションがあるのだが、これがiPhotoやiTunesといったアプリケーションをいわゆる「10フィートUI」で使えるものだ。
これで写真を見るとなぜか音楽が流れて来て写真をゆっくりスクロールしたり拡大したりしながらスライドショーしてくれる。へたくそな写真もなぜか感動的に見える。
非常におもしろいアプリケーションだと思った。リモコンが欲しくなって来た。
またMacBookの搭載スピーカーもそう悪くないので、普通の人が音楽や映画を楽しむにも十分じゃないかと思う。
ようするにMacBookを部屋においておけばラジカセ代わり程度以上にはなる。
@ というわけでMacすごいよ:
もうひとつ嬉しいのがVMware Fusionの存在。これのユニティモードは本当にMacとWindowsをシームレスに使える。Finderとエクスプローラのウィンドウが同時に出て、相互にファイルをドラッグ&ドロップすることも可能。
これだけできればWindowsユーザーはVistaなんぞに乗り換えるよりMac買った方がいいんじゃないかと思う。Windows代が高いのがネックだけど。
ふだんはリッドクローズドで大きな画面を使い、出かけるときには本体だけ持って家を出る。メインマシンを持ち歩く、というのが本当に現実味をおびて見える。
我々のようなヘビーユーザーはともかく、一般の人はそれでいいんじゃないかと思う。