狐の王国


2007年03月21日(水) [過去の今日]

#1 差別語排除が非常に虚しい事を示す記事

昨今、虫の名前などに含まれる差別語を排除しようという動きがあるらしい。無駄な事を、と思うのだが、そうしなければいけないという衝動に駆られる人たちというのはどうもある程度の数はいるらしい。

ここにそれが虚しいことだというのを示す例を挙げよう。

以前にもらった反応 であるが、 http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20061117#1163749433 「ホモ」は侮蔑的なニュアンスがあるので「ゲイ」と呼びましょう という記事がある。 そういう主張自体は山田玲司の アガペイズ などでも語られているので知らないわけじゃないのだが、実はこの主張自体が非常に虚しいものになりつつあるようなのだ。

前に反応をもらったときはすっかり忘れてた、というか論争する気も無かったので書かなかったが、 イギリス暮らしの方が書いてらっしゃる 英会話らばっ というblogの キモい、だるい、ムカつく、ダサい という記事。

さて、こっちの中高生、何でもかんでも、

"That's gay."

と言う。

この"gay"という単語は、日本語の「ゲイ」と同じ意味があり、同性愛的な意味を持つ単語だが、学校でティーンエイジャーが使うときは、同性愛というより、「バカ」とか「ダサい」とか「サイテー」とか「ムカつく」のように"Stupid"だとか、"lame""だとか、"crap"に近い意味がある。

そうなのである。どうやらイギリスあたりでは、日本の若者が「キモい」とか言うノリで「That's gay.」と言うようなのである。

かといって子供たちにそれはそういう意味で使うんじゃないんだよ、と言っても聞きはしないだろう。禁止したって無駄なのは明白だ。

19世紀に差別語を拒否して自ら名乗ったという「ゲイ」という呼称が、現在では若者言葉で悪い意味に使われている。このままだと「ゲイ」という言葉が侮蔑的なニュアンスを持つようになるのも時間の問題だろう。既にイギリスの若者の間ではそうなってると言えるのかもしれない。

もちろん同性愛に対する理解が広まって行けば、自然と悪い意味で使われる言葉ではなくなるだろう。だがそれは「ホモ」でも「ゲイ」でも同じこと。結局言葉を変えればいいというものではなく、理解を広める事が重要だということだ。

昆虫図鑑から「メクラ」だの「セムシ」だのが消えたとしても、障害への理解が広まらない限り別の言葉が侮蔑的ニュアンスをもって使われるようになるだけだ。

言葉狩りをやめ、理解を広める事に注力すべきだろう。言葉のリソースが無駄になるだけだ。

そういえば:

「身体障害者」を「シンタイ」って呼んでた小学生がいたのを思い出した。侮蔑的ニュアンスを込めているんだろうが、あまりに頭の悪い略称で噴き出したのを覚えている。これで「身体」が差別語認定くらって公式に使えない言葉になったらどうしよう。

そーいや「ぷー太郎」も「ニート」とか呼ばれるようになったな。これも言葉狩りの成果だろうか。

(@330)

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#2 バトルプログラマーシラセが他人とは思えない件について

Gyaoで明日までだというので、慌てて見ることに。

……なんかこう、他人に見えない。お前は俺かとまで言うと言いすぎだが、なんか色々共感するものが。

とりあえず現実の「美紗緒ちゃん」はそう甘いものではないぞ、とだけ言っておく。

(@687)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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