2005年11月06日(日) [過去の今日]
女人禁制の山にトランスジェンダーの人たちが登ってみようという試みがあったそうで、それ自体は非常におもしろいプロジェクトだと思う。突き詰めればこの世には男と女しかいないということにはなる──間があるのならそもそも性自認に悩む人もいないだろう──のだが、多様な性の存在をアピールし、どのような場合にどういう結論が導き出されるのかという知識の蓄えをしておくことは、決して悪いことではないだろう。 質問内容がまったく山の趣旨を理解してないのが失笑ものではあるが、そもそも俺は嫌がらせの類は大好きだし、これくらいはご愛嬌でいいんじゃないかとも思う。
だが、問題は起きてしまった。 朝日新聞の記事 によれば、
女性の立ち入りを禁じる結界門(けっかいもん)の手前で地元住民約100人と議論した結果、改めて話し合いの場を設けることで合意して解散したが、その後にメンバーの女性ら3人が登山を強行した。
(中略)
しかし、午後0時半ごろ、3人が結界門をくぐって山に入った。その1人は「問題提起をしたかった」と説明した。
とのことで、合意を破ってまで登山を強行したのだそうだ。 これは由々しき話である。表題のリンク先でもコメント欄が炎上している。問題提起をするのに、わざわざ人と人との約束をやぶる必要は無い。今回提起された問題は性差別ではなく、性別以前の人間としての問題だ。フェミニストの中にテロリストがいると言われても文句は言えない。他人の信仰を暴力的に踏みにじるという点で、どこぞの過激派と同じだからだ。
が、実はこれが最初ではなかったらしい。 サンデー毎日の記というサイトの記事 によれば、
千三百年の伝統がある女人禁制を、女性に対する差別と捉えた奈良県の日教組に所属する、小、中学校の女性教諭十三名が、同じく八名の日教組の男性に護衛されて、平成十一年八月にひそかに大峰山に登山をして破りました。
なんと6年も前にすでに同じことをやってる人がいる。このことを今回登山した人たちは知らなかったのだろうか。
性差別問題はサヨクの格好の餌食にされている。サヨクというのは本来の左翼ではなく、思い込みだけでつっ走って思い込みの正義を振りかざして周囲に迷惑をかける人たちのことだ。こういう輩は日本くらいにしかいないだろうと思っていたが、どうやら海外にもけっこういるらしい。さきほどのサンデー毎日の記というサイトの記事中に、オーガスタというゴルフ場の性差別問題が取り上げられていたが、これも LA発ジャーナルというサイトの記事 によれば、まったく性差別とは別次元の話であったようだ。
フェミニズム結構、トランスジェンダー結構。だがサヨクの餌食にされてるうちは、悪評以外の何も産まれないだろう。フェミニストがまず戦わねばならない相手は社会ではなく、こういうサヨクどもであろう。
(@333)