狐の王国


2004年08月15日() [過去の今日]

#1 違法と正当

「キャッシュと嘘とファイル放流」 という文書を読んで、これは非常に国家を信頼した考え方だな、という感想を持った。国家とその下部組織を信頼するという前提に立つなら、非常に真っ当な考え方だし、その通りだと思う。

そして問題は「我が国家は信頼に足り得るか」ということになるわけだ。信頼に足り得るというのは、正当な行為が違法にならないということだ。ソフトウェアの開発、セキュリティホールの指摘、私的複製といった正当な行為によって逮捕される、あるいは逮捕されるかもしれないという恐れを感じさせる国家を、信頼できないと判断する人間がいてもおかしくはないだろう。事実、Winny作者逮捕を受けて、国外脱出を本気で考えてる人達を何人か知っている。彼らは日本という国を信頼できないと判断したのであろう。

国家が信頼できないとすれば、悪い言い方だが「いざというときシラを切れる」ようにしておくことは重要であろう。国家を信頼しないからキャッシュファイルを暗号化してシラを切れるようにしておくというのは、非常に正当なことのように聞こえる。

しかし、本来は民主主義国家を標榜する以上、民主的手続きをもって信頼できるシステムに変革していくべきだろう。だが信頼できない国家とはそもそも民主制が働いてないから信頼できないのである。民主的手続きが不可能だと判断されたら、革命を起こすレジスタンスが活動を始めてもおかしくない。著作権テロと呼ばれたWinnyも、裏から見れば革命闘士と言えるかもしれない。

問題はWinnyだけじゃない。年金問題だってそうだし、他にもいろいろ思い当たることがあるだろう。この日本という国が今問われてるのは、信頼そのものなのではないだろうか。これに答えられなければ、人材の流出、テロあるいは革命の動きが止まらなくなるかもしれない。そのとき、国家日本は崩壊してしまうだろう。これは現行内閣を崩せばいいというものではない。政治家は民主的に選択可能だが、そうでないところに悪の巣窟があるからだ。

(@507)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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