2004年04月17日(土) [過去の今日]
イラクのファルージャ情勢はそうとうひどいと聞いてたが、まあホントにひどいもんだ。米軍による虐殺とまで言われてるが、この虐殺を招いたのはいったい誰なのだろうか。
若い海兵隊員が、戦闘年齢の男性は立ち去ることを禁ずると述べた。戦闘年齢? 一体いくつのことか知りたかった。海兵隊員は、少し考えたあと、45歳より下は全員、と言った。下限はなかった。
とくにこの文から、米軍には戦闘員と非戦闘員の区別がつかなくなってる事がうかがい知れる。非戦闘員のふりをして近付く戦闘員がかなりいたことを推測するに充分なエピソードではないだろうか。表題の文章は反米を訴えているようだが、米軍も人の子である。自分の命がかわいいのは当然であろう。幕末の日本の武士たちが、粗末な槍や鉄砲で蒸気機関の戦艦に対抗しようとしたエピソードは笑い話として語られることが多いが、少なくとも卑怯な振る舞いでは無かった事を誇りに思いたい。
もちろんイラク戦争は下策中の下策だったとは思うが、間違いだったとは思わない。大量破壊兵器が本当に無いのなら、フセイン政権がおとなしく査察を受け入れてればよかった話だ。これは湾岸戦争の事後処理なのである。
しかし、人道的に、戦闘員と非戦闘員の区別が付かず、本来攻撃してはいけないはずの宗教施設まで爆撃しなければならない事態に陥った時点で、ここは一時的にでも撤退すべきではなかろうか。親米政権を作ることはもはや諦めたほうがよろしかろう。大量破壊兵器を持たない国であってくれれば、それでよしとすべきだ。あとは国連に一任し、アメリカは口をつぐめばよい。日本もアメリカの依頼とは無関係に、イラク復興のためにできることをやっていこう。日本にとってもアメリカは軍事的盾であり、米軍が存在するから憲法第九条も成り立っているのである。あんまりアメリカの人気と国力が弱まっては、日本も危ういのだ。
反米を掲げるつもりは無い。だがここは引いてくれと切に願う。イラク人は真面目な人々だと聞いている。米軍がいなくなったからといって、非人道的な暴挙に出るような恥知らずではないはずだ。交渉相手としてやっかいすぎたフセインはもういないのだ。再び武力ではなく交渉力で平和を勝ち取るチャンスなのである。
(@201)