狐の王国


2004年04月11日() [過去の今日]

#1 そろそろ解放の時間かね。

今回のイラクでの日本人三人拘束事件だが、まあいろいろ怪しい点は多いもののそれは敢えて語るまい。ちゃんと情報を集めてる人ならみんなが同じように考えるであろう。

それよか与党の足を引っ張る事しか考えてないと思ってた野党のうち、ちゃんと「テロリストの要求を飲んではいけない」と主張できた党がいたのが、俺にとっては驚愕だった。多少なりとも良識のある野党が残っていたのだなあ。平然と「テロリストの要求を飲め」と主張する野党もいくつかあったが、このような良識も常識も知恵も持ち合わせてない党を支持する国民がまだいるというのが困ったもので。たとえ普段の主張に合致する要求だとしても、テロリストに乗じるような党はテロリスト集団であろう。それを支持するならそいつもテロリストだ。このようなテロリストが国会にいる状況はなんとかせねばならんね。

(@222)

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#2 オープンソースはなぜ大衆市場の要求を満たせないか

2chで見掛けて反論でもしようかと思ったんだが、おもしろそうなネタなので日記に。

よくあるオープンソース開発モデルと商業開発の親和性の低さを指摘した文ではあるが、よくまとまってると思う。確かに指摘の通り、オープンソース開発モデルはどちらかというと実学よりも研究系にマッチするだろう。実際、Linuxの登場以前は表に出て来るようなものではなかったはずだ。研究的なものから実学に近づけたのはLinuxであり、バザール型開発モデルであろう。そして従来のオープンソースプロジェクトの成功例というのは、基本的にはユーザーも技術者であった。技術者を対象としたソフトウェアを開発するのに、オープンソース開発モデルは有益である事は証明済みのものであると思われる。

今回の記事で指摘されてるのは、それがもっと一般的な市場、大衆消費者市場に通用するかという事である。この点で最も重要な事は、「未だかつてオープンソースの製品を大衆市場に投入した事例が無い」ということだ。ゲーム等のサウンド部にoggが使われる等、部品として採用される例はあるが、オープンソースのソフトウェアそのものを市場に投入した事例は無いのである。 *1

そういう意味では「やってみないとわからない」という部分は非常に大きい。ただ、技術者向けでは非常に成功してる事例も多いのである。apache然り、MySQL然り、ビジネスとして成立してると聞き及んでいる。サポートセンターを設けた上で販売した事例は、寡聞にしてMySQLくらいしか知らないが。

大衆市場においても、サポートセンターを設けた上で販売すれば成功するかもしれない。大衆の中には開発力のある人間もいるわけで、そうしたユーザーからのフィードバックは従来の技術者向けのオープンソース製品と同様にメリットがあるだろう。ブランチされても、それは開発競争が起きるだけで、きついかもしれないが品質は良くなるはずだ。それこそがオープンソースのメリットであるはずである。問題はユーザーが金を払ってくれるかどうかだ。

オープンソースであるということは二次配布も可能なわけで、ユーザーがウェブやP2Pを介して無料で製品やソースを配布してもいいわけである。無料で合法的に手に入るものに果してお金を払ってもらえるのか。従来の製品を見てみると、寄付ベースで動いてるもの、デュアルライセンスによってオープンソースか商用ライセンスか選べるもの等があるが、どちらも大衆市場向けではなかろう。残るはサポートである。ドキュメントとサポートセンターを売り物にするしかない。これは既存の結論であろう。あとはやってみてどうかである。

ユーザー同士が所持してるソフトウェアをコピーしあうのはすでによくある風景であり、それが違法であるか合法であるかをおそらく本人達は自覚してない。コピーできるものはしてしまうのである。それをコピー防止技術によって阻止するのではなく、コピーを許容して他の収入源から利益をあげる、という話でもあるのだ。技術は技術によって対抗されるのだから、いたちごっこを永遠に続けるより、オープンソースにしてドキュメントとサポートで利益をあげるという選択肢は、決して悪くないと思うのである。

個別反論:

コンピュータゲーム市場は、技術革新の中心になっているが、こうした技術革新は、オープンソースモデルではなく商業的開発会社によって開発されている。

これは開発時間の問題である。オープンソースのソフトウェアは基本的に片手間で書かれており、それを本業として開発している人はほとんどいない。本業として開発すれば同じ事ができるかと言われればできるであろう。問題は給料をどこから出すかだけである。

オープンソースの成功の証のほとんどが、学術的、科学的コンピュータ開発などの研究分野関連で挙げられている。(以下略)

apacheやMySQLなどがある。この項目は間違いであろう。

学者たちには、自分のソースコードを保護しても得るものはないが、商業的開発者たちには得るものがある。(以下略)

ソースを公開して得るものがある、ということを示したのがオープンソースモデルである。反論するならオープンソース・ビジネスモデルへの反論としてきちんとやってもらいたい。

ほとんどのオープンソースプロジェクトは、品質が低いか未完成であり、商用モデルに匹敵するものでは到底ない。

これも開発時間の問題だね。

ほとんどのオープンソースカンファレンスには、ソフトウェア開発をまったく行っていない企業が参加している。

ユーザー様がカンファレンスに来るのはいいことだと思うが。

(@920)


*1: Lindowsのような痛い事例はあるけどね……。あれは無いも同然。
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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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