狐の王国


2007年06月27日(水) [過去の今日]

#1 絶望した白田秀彰氏が本当に我々に伝えたかったこと

平成十九年六月十五日白田秀彰演説記録 を巡り、 白田秀彰先生のサイト で緊急声明が出されるという事態にまで発展した。

とはいっても、概ねネットに流れた演説の通りであるとのことで、取り立てて騒ぐことでもないのかもしれない。だが、緊急声明にはひとつ見逃せない言葉がある。

そうした皆さんの力強い応援をいただいているのですが、残念ながら私は少し皆さんに絶望しているのです。シンポジウムの中でも「もう絶望してます」と表明したのですが、そのあたりは報道されていないようです。

このへんは ITmediaの記事2ページ目 に書いてある、

「(前略)改正の提案ががやれるなら、ぜひやってほしい」――久保氏は白田氏にこう水を向けるが、白田氏は「わたしは10年近く、パブリックコメントを出したりしてそれこそ、外山恒一のように1人で地道にやってきた。だが誰も反応してこない。もう絶望している」という。

という部分だろう。

だが待って欲しい。白田秀彰という男は、軽々しく絶望などという言葉を吐く男だろうか?

ほんとうの知的財産戦略について という記事で、白田秀彰先生はこう書いている。

私は、これを「理想は信じる力によって支えられている。理想が打ち砕かれる時がくるなら、私達はその時にむかって理想を抱きつづけるしかない。私達は、好むと好まざるとにかかわらず、絶望しつつ、くり返しくり返しその時を越えて進まねばならない。」と読み替えます。私達が我らのほんとうの知的財産を守れますよう。

これが書かれているのは、この非常に長い記事の末尾だ。そしてこの記事と、件の緊急声明で、白田秀彰先生が繰り返し言っている事はこうだ。

私は、政治的に勝利することを目指しているのではありません。より多くの人が十分な知識と教養を備え、実質ある議会制民主主義を支えうる市民へと成長していただきたいと思っているのです。

ここから読み取れる白田先生のメッセージはこうだ。

お前ら何したらいいかわかんねえとか言ってないで、俺の書いたもの読んで勉強しろよ! 自分の行動くらい自分で考えられるようになれよ!! そうじゃないと本当に大事なものなんて守れないんだぞ! 自由主義経済も民主主義も、崩壊しちゃうんだぞ!

だから敢えて「絶望した」などと言って、諦めたフリをしているのだろう。「俺に頼るな! 自分の足で歩け!」、そう俺たちに檄を飛ばしてくださってるのだ。

だからきっと、こんな解説記事めいた事を書いたら、白田先生には怒られるかもしれない。この答えには、一人一人に辿り着いて欲しいと願っているのだろうから。

でもね、俺は知っているんだ。白田秀彰先生が思う程、大衆が利口ではないことを。

まだ人の多い都会はいい。ちゃんと本屋がある。図書館も整備されている。手を伸ばせば、知の泉にいつでも触れられる。

だがちょっと田舎に行けば、本屋などあっても雑誌中心であったり、レンタルビデオ屋のオマケ程度だったりして、ロクなものがない。岩波文庫や講談社学術文庫は書店の買い取りになるとかで、そもそも仕入れられないらしい。図書館も小さくて、漫画とライトノベルに押されてたりする。今は通販があるから本を買うのに困らないけど、そもそも啓蒙が必要な層はインターネットが何なのかもよくわかってないし、ほとんど使ってない。

そういう人達は、政治にも興味が無い。あるのは目前の利益だけ。もちろんすべてとは言わないが、仕事を発注してくれるありがたい人だからその人の支持してる政党に票を入れるなんてことが、平気でまかり通ってる。俺はもう既に、日本で議会制民主主義が機能してない事を知ってしまっている。

そういう意味で、本当に絶望してるのは俺自身かもしれない。

だが、まだ俺は絶望しきっているわけじゃない。幸い今の時代はネットがある。blogがある。掲示板がある。メッセージを伝える手段はわんさかある。そしてメッセージを発信してる人も、山のようにいるのだ。

俺は彼等のメッセージを、自分自身のメッセージを、いろんな形で人から人へ、伝えて行きたい。敢えて白田秀彰先生のメッセージを解釈してみせたのも、そのうちのひとつだ。あれじゃ理解できない友達が、何人か思い浮かぶからだ。その友達に向けて、俺はこの記事を書いている。

そりゃもちろん、俺も民衆一人一人が教養を持ち、議会制民主主義を支えられるようになればいいと思ってる。でもまだそれは無理だ。少なくともこの日本では無理だ。

その前に、壊さなきゃならないものがたくさんある。作らなきゃならないものが山程ある。そしてその過程で、きっとそういう理想的な民主主義国家に辿り着く手段が見えて来ると、俺は信じている。

(@390)

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2006年06月27日(火) [過去の今日]

#1 W-SIM携帯

engadgetの記事 にあったW-SIM携帯、なんかすごそう。LinuxベースでGTK+ってことは、まさかXじゃないだろうからDirectFBか?

リファレンスモデルだそうだが、フルブラウザありのJavaありので充分すぎるスペックだなあ。中のOSも自分でいじくれるんだろうか?

むぅ、購買意欲をそそられるなあ。個人購入可能になったら本気で買ってしまいそうだな。

(@307)

intent:

搭載されてるブラウザのQiって奴知らないんで調べてみたんだけど、 intent というOSの機能らしい。

てことはLinuxがOSといいつつ、ただのホストOSで、実質的にはintentが入ってるってことか? となると、CでもC++でもJavaでもアセンブラでも開発できて、どれもネイティブに動くってことか。perlも使えるのかのう。

んー、なんかすごいな、intent。俺のPCの上でも走らせられるんだろうか。ちょっと動かしてみたい衝動にかられるのだが。

(@312)

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2005年06月27日(月) [過去の今日]

#1 Wanderlustのバージョンアップ

ずいぶんEmacsを再起動してなかったので気付かなかったが、Wanderlustに相当手がはいったようだ。起動時に wl-news が起動され、chagelogが見られるようになっている。また、返信済みフラグが付くようになったみたいだ。

うちはIMAP環境なのだから、今まで返信したものもフラグが見えるのかなと思ったが、そうはならないみたい。IMAPの返信済みフラグを書き込んでなかったということかなあ。Courier-IMAPdが対応してないとかいうオチだったら泣くが。

(@030)

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2004年06月27日() [過去の今日]

#2 血液型性格判断

先日、友人からメールが来て、「お前の血液型はなんだ?」と言うので、「A型だよ」と答えた。するとその友人は「信じられねー! そのいい加減な性格でなんでA型なんだ。まだC型とかZ型とか言われた方が信じられる」と返して来た。

アホか!

で、そんなメールが来た原因を聞いてみると、どうやら血液型性格判断が最近またはやり出してるらしい。TVで例によってむちゃくちゃな根拠に基づいた番組が放送されてるのだそうだ。

IRCでもそんな話をしていたら、 血液型性格判断のトリック というページを紹介してもらった。基本的に心理学の基礎的な教科書に載ってるような、血液型性格判断がなぜ当たるように見えるか、というあたりをわかりやすく解説している。一読の価値はあるだろう。また、ここに書かれてないトリックとしては、「本人の思い込み」というものがある。ラベリング効果の一つなのであろうが、「あなたは何型だからこういう性格です」と言われると、実際にその通りの性格になるというものである。学者ですら実際にこのトリックに引っかかり、性格が変わってしまったという人もいるという話を本で読んだことがある。

それにしても、このページからリンクされていたテレビ番組のバックナンバー( 1997年6月15日放送2004年4月4日放送 ) を見て怒りを通りこして唖然としてしまった。「発掘! あるある大事典」という番組はたまに見てはいたが、こんなひどい内容を放送する番組だとは思ってもみなかった。 特に子供教育に関して、血液型別に叱り方・褒め方、勉強させるときに有効なポイント等が紹介され、「統計学的に血液型を理解すれば、人材育成の一助となりえる。」とまで言っている。

冗談ではない。これは戦前の血液型性格判断ブームから何も進化してないではないか。当時は大日本帝国軍ですら血液型によって担当部署を決めていたことがあったそうだ。科学的根拠も無ければ、生まれついてのものなので本人にはどうしようもない所で人事が決められるのだ。特に本人がどうしようもない理由というのが非倫理的である。部落差別とまったく同じロジックだ。

もちろん娯楽として楽しむ程度ならかまわない。だが占い以上のものだとは思わないでいただきたい。まるで科学的根拠があるように見せかけ、ましてそれを利用して人の人生を左右させようなどというのは、知識者としての倫理に徹底的に反するものである。血液型性格判断を応用しているという埼玉県の保育園は、もう一度考え直していただきたい。自分たちが子供達の人生を踏みにじるかもしれない事を、自覚していただきたい。子供であればあるほど、「思い込み」の効果は高いのだから。

(@671)

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#1 結局やりなおし

pdumpfs-cleanを8時間以上動かしてたわけだが、一カ月分すら消し終らない。初期から毎日一日分ずつ消さないとダメだな、こりゃ。

rootで/homeごとバックアップしてたので微妙に不便なのをなんとかしようとは思ってたし、この際だから2月からのバックアップを全部削除、つまりディスクごとフォーマットしてやりなおした。いや、mkfs速いね、一瞬。

個人のcrontabに放りこみ、ログ取りも~/var/logに保存するように。さらに--excludeを使ってやたら肥大化してる~/tmpを除外。~/srcでコンパイルしてるからここも除外しようかと思ったけど、考えたら無くなると困るソースもけっこうあるな。\.o$ を除外すれば多少はマシになるかな。

(@564)

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2003年06月27日(金) [過去の今日]

#1 栃尾の油揚げ

両親が新潟に旅行したさい口にして、あまりの旨さに感激したというので、検索して通販やってる店を探して注文。

どっこい、たまたま選んだ店はハズレだったらしく、賞味期限が到着日の四日前の商品を送ってきた。中には賞味期限表示が無いものも。まともなものは1〜2本だけだったろうか。

まあ、個人商店のやることだから、管理徹底などしてるわけはないのだが、顔の見えない商売だけに、この手のトラブルは悲劇にもなる。たまたまうちが温厚で、栃尾の油揚げの名前に傷を付けたくないとのこともあり、あまり大事にはしない *1 ということで落ち着いたが。

インターネット時代はユキビタスなどというキーワードで語られる。遍在という意味だそうだが、それはP2P、一対一の関係が増える事を意味することになるだろう。大きな組織よりも小さな固まり、あるいは個人で活動する時代を、ユキビタスなコンピューティングは支援することになるからだ。すでに個人商店が世界の裏側の個人と取り引きをするような時代になりつつある。

それだけに、今回のようなミスはこれから大きな問題になるだろう。自分と自分の商品を管理する能力を、どんな小さい所でも大企業と変わらず持ち合わせなくてはならない時代になっていくのではないだろうか。よしにつけ悪しきにつけ。

そんな事を考えた今回の事件だった。

そしてここも:

ここに書いた事も、同じく出版社から出てる本のように責任を求められていく時代になりつつあるのだろう。今回栃尾の名前を出して書くことが、ある程度のリスクを背負う事になることも理解してないわけではない。

それでも敢えて出したのは、やはり旨かったからだ。栃尾の油揚げを生産してる人に、もっと自信を持ってもらいたい。自信はプライドに繋がる、プライドは品質に繋がる、俺はそう信じている。

(@390)


*1: 追記:とりあえずお金は返してもらえるらしい。
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2001年06月27日(水) [過去の今日]

#2 新しい電源げっとおめでとう(笑)

 ところでもしかしてそれって青い箱のやつ? RL-351ATXってやつじゃない? あれ静かでいいね。俺も使ってます。2980円でした。
(@653)

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#1 Alpha尊厳死

 まったく悲しいことだけど、しょうがないのかもね。
 8bitパソコン時代も、乱立しては消えていった数多のアーキテクチャがあったけど、AT互換機に統一されたし。結局コンピュータのアーキテクチャって統一されたほうがいろんな意味で楽なんだろうね。
 Alphaマシン、狐志庵も欲しかったけど、今から買う気はしないな。なんでって、NECがPC-98NXを発表した時点でPC-9800シリーズを新規に買おうとは思わないでしょ?
 ということで、HammerやItaniumがAlpha並の価格まで下がることを祈る^^;;

時に:

 みこもえせんせいはninix試したかな。
(@837)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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