狐の王国


2007年01月19日(金) [過去の今日]

#3 団塊ジュニア世代の上司

/.-jの記事 で知った ガンダム男子 という記事がある。

正直、なるほどと思った。いいとこ突いてる。が、 /.-jのコメント はオタク族の共感力の低さがモロに出てて痛すぎるくらいで大笑い。

実際、U35世代──1972〜1980年生まれくらいだろうか──は、少年期にガンダム、青年期にエヴァンゲリオンという二つのアニメの社会現象を体験している。実際に見てたかどうかはともかくとして、そういうムーブメントの渦中にいた世代だというのは間違いない。

そしてこの二つのアニメは、当該記事の言う通り組織や大人に主人公たる子供が振り回される作品だし、それに共感してきたのもU35世代なのである。

社会状況を見ても、U35はバブル世代に入りそびれてバイトでも就職活動でもおいしい思いができなかったし、団塊ジュニア世代でもあるので数も多く、入学試験も苛烈だった世代だ。ついでに就職氷河期真っ只中をくぐり抜け、社会に出てからも景気回復の兆しが見えない状況の中働いてきたわけだ。

自分自身がその世代に該当してるから余計にそう見えるのかもだが、ホントに損な世代なのである。その損を作り出したのは、やはり組織や大人なのだ。

そしてこの世代が支持したサブカルチャーこそがアニメであり、社会現象を起こした作品がガンダムとエヴァンゲリオンなのである。そこに影響を考えないほうが不自然ではないか?

実際にオタク世代とも言えるU35は、当該記事の通り組織や大人といった権威側を嫌う傾向がある。先述の「共感力が低い」としたいかにもオタク族的コメントも、少し考えれば日経という権威側に対する拒否反応とも見えることがわかるだろう。拒否反応という言葉が悪ければ、警戒心と言ってもいい。社会状況と流行ったアニメだけ見ても、その理由は理解してもらえるだろう。

そういう意味でも当該記事は悪くない。価値観が多様化し、理想像が見えない時代だからこそ、こういう指標になる記事はもっとあってもいいんじゃないかとすら思う。

でもね、団塊ジュニア世代の直属上司になるくらいの世代に、ランバ・ラルやマチルダさんのようになれってのは無理な話じゃないかな、と思ったりもするんだよね。目標、高すぎるんじゃないかと。ブライトくらいでいいんじゃないかなあ。ブライトも厳しい中間管理職に唐突に祭り挙げられて苦労してたけど、がんばって職務を果たそうとしてたじゃないか。ニュータイプも淡々と受け入れてくれてるし。そういう姿勢だけで、充分なんじゃないかなあ。

(@797)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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