狐の王国


2006年09月08日(金) [過去の今日]

#1 あるひとつの逮捕劇

被害者の場合:

本日、仕事に行く途中、警察官から職務質問を受けました。屈強そうな警官で、征服を着用していました。彼らは私の風体が怪しい、危険なものを持ってないかなどといい、 服の上から身体を触ってポケットの中のものを確認 しました。私は非力なのでされるがままでした。

そしてポケットの中から 十徳ナイフが見つかり、銃刀法違反で現行犯逮捕 されました。これは 仕事で使用しているもの で、これから行く客先でもケーブルの配線や拡張カードの交換がある可能性もあったので、念のために持ってきたものでした。

しかし警官は仕事でそんなものは必要無いと言って認めてくれず、私を警察所に連行すると言いました。これから客先に行かなければならないのに、連行されるわけにはいきません。そう言うと警官は、小声で「見逃してやるから……」と金銭を要求しました。私は財布からお札を何枚か取り出すと、しぶしぶそれを警官に渡しました。

加害者の場合:

最近ネットを見て回っていると、十徳ナイフ程度の刃物を持ち歩いてるだけで逮捕されたという話をいくつか目にした。最近だとちょっと名の知れた漫画家もそれで逮捕されたらしい。警官の制服って便利だよな。着てるだけで一般人に何でも言うこと聞かせられる。抵抗すれば公務執行妨害で逮捕だ。そう、制服さえあれば……

その日、俺は警官の制服を着て街に出た。知ってる奴は多くないが、実は都内には警察から流れて来た制服や道具を扱うショップがある。もちろん着て歩いたりすれば違法だが、所持や売買は適法だ。警察から備品を流した奴に裁きがくだるかどうかは知らないがね。

あんまり歩いて目につくのもまずいので、街へは車で来た。上からジャンパーを着て帽子は脱いでおけば、外からはわかるまい。俺は車を路地裏に停め、ジャンパーを脱ぎ、帽子を被って車を降りた。街を歩く数多の猿どもの中から、カモを見定めた。ああ、あいつがいい。いかにも気の弱そうな感じだし、肩に大きめのバッグをかけている。大荷物を持ったひょろっちい奴は、たいていパソコンの仕事をしてる奴だ。工具のひとつくらい持ってるだろう。

俺はそのひょろ男の前に出て言った。怪しい奴だ、危険なものを持ってないか調べる。

案の定、おとなしく従いやがった。しかも荷物を調べるまでもなく、ポケットから十徳ナイフが出てきた。こいつは都合がいい。刃物を持ち歩くのは銃刀法違反だ、お前を逮捕する。

……数分後、俺は車に戻って帽子を脱ぎ、ジャンパーを着込んだ。ポケットには万札が数枚。こいつはいい稼ぎだ、もう制服代の元はとれた。足がつかないよう、場所を変えてまたやろう。工具を持ち歩いてる奴なんて五万といる。いくらでも稼げるぜ……。

あとがき:

なんてことを妄想したわけだが、もちろんきっかけは 人気漫画「デスノート」作者逮捕 というニュース。前からドライバー1本で逮捕なんて話はちらほら聞いてたからね。俺も仕事で工具を持ってる事もあるので、ひとごとじゃない。

まあ正直最近の警察の横暴っぷりは目に余る。そろそろ何とかしないとやばいんじゃないのかなあ。俺の妄想が現実化しないことを祈るのみだがね。

……金要求した偽警官が本物の警官だったりしたらヤだなあ。そういうパターンで「加害者の場合」を書くことも可能か……。

(@322)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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