2003年03月10日(月) [過去の今日]
口ぶりはむかつくが、なかなかするどい記事だと思う。映像や音楽のオンデマンド配信に関して、市場そのものがアングラの世界に潜ってしまってることを指摘した記事は初めて見たような気がする。
実際、Winnyにちょいと繋いで見れば、アニメなどは放送の翌日にはもう流れてるのが見える。見逃してしまった時など便利そうだなあなどと思ったりもするが、違法は違法なんだろうな。
結局、こういう違法なものを取り締まる、という事に注力しすぎて、ビジネスとして成立させるということをしてないというのはどうやら本当のようだ。少額決済システムの配備はずいぶん前から言われてるのに実行されないし、元記事が指摘するように権利処理が機能せず、地上波番組の再放送もほとんど行われてない。それゆえストリーミング放送のコンテンツが貧弱になってるのは紛れもない事実だ。
また、実際にストリーミング放送でドラマなどを見てると、内容がつまらないわけでもないのに飽きる事が多い。なんでだろうと仲間と話し合ってみたのだが、どうも映像というのはウェブブラウジングのスタイルに合わないようなのだ。ネットラジオなどはかけたら他のページを見たりチャットしたりしながら聞けるのだが、映像はそうはいかない。目と耳という人間の二大情報取得器官を完全に奪われてしまう。確かに言われてみると、ストリーミング映像で飽きたと思う時は、たいてい他のコンテンツを探そうとしている。
つまり、ストリーミング放送は短いものでなくてはならない、ということではなかろうか。短くて充足感があるもの、例えばコントなどはどうだろうか。新人芸人など、テレビの露出が少ないのだから、こういう場はいい宣伝になるのではないか。また料理番組もいい。Yahoo!BBに加入してから気付いたのだが、会員は http://bb.yahoo.co.jp/ で各種ストリーミングが楽しめるようになっている。見るべき物はほとんど無いのだが、レシピとニュースと映画の予告篇はけっこう楽しく見たものだ。
ドラマなどは専用に作っても最後まで見てもらえない。既存放送を見逃した人向けの放送として流すべきではないだろうか。ストリーミングならCMも飛ばせないのだから、スポンサーとしてもビデオに録画されるよりいいと思ってもらえないだろうか。地上波では流せないような古かったりマイナーだったりする番組の再放送も、ストリーミングなら可能ではないか。
アンダーグラウンドでコンテンツを楽しんでる人達のうち、意外に多くの割合で合法に見る手段があるなら見たいという人はいるようにも思う。アンダーグラウンドに流れるコンテンツは、隠れ需要だと知れ。そう思う次第である。
(@552)