ケン・ティレルの名を知らないF1ファンはいない。
　フェラーリに次いで長くF1に参戦し、数年前にチームをBATに売却するまで現役のチーム監督として「ケンおじさん」と呼ばれて親しまれてきた人。
　大の親日家で、70年代にF1日本グランプリが開催された時は、マシンにチーム名を平仮名で「たいれる」と書いたりもした。90年代になっても中嶋悟や片山右京ら、日本人レーサーを起用し、僕ら日本のF1ファンは、ティレルに乗った彼らと、ティレルのマシンを、声を張り上げて応援していた。
　体調が悪いとは聞いていたし、少しは覚悟もしていたけど、やっぱり悲しい。認めたくないという思いがある。だからケンおじさん、さよならは言いません。ただ、ありがとうと、言わせてください。
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