狐の王国


2005年09月19日(月) [過去の今日]

#1 世論のベースシフト

先の選挙はいろいろなものを残してくれたが、その一つがマスコミの弱体化であろうと思う。

マスコミに慢心があることはウェブをうろついてる人ならご存知の通りで、朝日新聞を筆頭に「マスゴミ」などと呼ばれているわけだが、それでも大手メディアであることは変わり無く、今まで世論をリードしてきた。

しかし、今回の選挙結果とマスコミがリードしようとしている世論は、大きくずれているように感じる。いまだにマスコミは選挙結果をして「小泉が支持されたわけではない」「選挙システムの功罪」等々、苦しいいいわけとしか言いようの無い話を繰り返し展開している。

そしてよくよく見れば、選挙結果に最も近いのは、いわゆる「ネット世論」なのである。ネットでの議論、意見の交換、あるいは叩きや煽りの流れと、自民党圧勝・民主党大敗・社民党シカトという選挙の結果は、ぴったり一致するではないか。

これは、市民の議論ベース、情報ベースがインターネットに移行している事を示すのではないだろうかと期待している。インターネットは無数のネットワークの集合体であるがゆえに、情報を潰す事がほぼ不可能である。こういう場でこそ公平な見解が導き出せるというものだ。事実、ネットでは散々問題になっているJASRACの横暴ですら、マスコミに出たという話はとんと聞かない。先日ようやく週刊誌に載ったという話を聞いたくらいだ。

そりゃあテレビ局はありとあらゆる番組でJASRAC監理下の曲を使いまくってるし、そのバックには当然新聞社もある。新聞もテレビもJASRACは叩けないというのは道理だろう。

もし本当に世論を形成する議論ベース、情報ベースがインターネットにシフトしているとしたら、こういうしがらみのある団体も叩きようがあるということになる。今までのうのうとしていたところも、のうのうとはしていられなくなる。これは社会的にも大きな価値があるだろう。

実際のところは今後の推移を見て行かなければならないが、ぜひにもこのベースシフトが行われている事を期待する次第である。

しかしまあ:

「叩く」ことによるおもしろさはあると思うし、マスコミもネットもそういうネタを投下して人をひきつけてきた。この手法はどちらでも変わらないというのが、おもしろくないね。叩きの次の時代は、まだ来ないのだろうか。

(@917)

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2004年09月19日() [過去の今日]

#4 セガラリー2005

新作出すのか。コース自動生成エンジン搭載ってのがすげえな。初代セガラリーのころから、プロのラリーストが「これでコースが自動生成されるようであれば、本物の練習に使える」と言わしめてた作品だけに期待してしまうな。

もっとも、俺プレステ2持ってないんだけど……。PC版出してくんないかな。

(@584)

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#3 KNOPPIX 3.6 雑感

ちょうど昨日、とある大学生がうちに来て、コンピュータについて話をしてた。聞けば大学ではUNIXを使わされてるらしいのだが、よくわからんので家でも使えるものがあればいいのにとのこと。

で、さっそく 巫女ぐにょ を教えてやったのだが、wmakerで端末操作中心の環境ではとっつきが悪かったらしく、拒絶。で、KNOPPIXを落して来て見せてやった。

ハードウェアの自動認識もすばらしく、一発で起動。KDE 3.2.3 環境はメニュー等が半透過処理されてるのだが、これが思いのほか軽い。同じマシンで起動してるWin2kのメニュー表示と同等の表示速度。さらにCDとはいえ圧縮が効いてるせいか意外なほど速くアプリが起動する。スワップパーティションがあるせいもあるのだろうが、KNOPPIXとKDEの速度にはかなり驚いた。

とにかく圧縮ファイルシステムの力はすごいな、というのが第一。第二にKDEはかなり軽い。一番重いのはOpenOffice.orgということだな。

(@451)

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#2 ボールペンで開く世界最強の鍵

TOTOROの自堕落 でハッケソ。

自転車用の鍵としては有名で強力、「世界最強」を謳い文句にしている クリプトナイト社 の自転車鍵「Evolution 2000」にボールペンの後ろを差し込んでがちゃがちゃやると開いてしまう、という脆弱性が公開されているそうだ。1999年に発売されている3000のほうはどうなんだろうか。

以前にもこの日本で、とある自動車メーカーの鍵はほとんどあるハサミで開くことが可能という脆弱性が発見されたことがある。こちらの例はこの脆弱性を発見したクラッカーが自動車泥棒を繰り返した挙げ句逮捕されたが、この自動車メーカーがどこであるか、ハサミはどこのものかといった情報は非公開になっている。またメーカー側の対応も公表されていない。しかし、おそらく発見したクラッカー周辺ではよく知られた情報となっているであろうし、今後も犯罪者の間でこの情報は流通していくだろう。今もこの手法で泥棒を繰り返しているかもしれない。

クリプトナイト社のEvolution 2000が発売されたのは1992年。この12年の間におそらく自転車泥棒たちはこのクラッキング手法を発見し、犯罪を重ねてきたのであろう。その情報が一般にも洩れてきたというだけのことであると、推測される。

正直なところ、まともにこうした脆弱性に対応しているメーカーは、オープンソース・プロダクトを除けば唯一マイクロソフト社しか知らない。マイクロソフト社の製品は構造的な欠陥を抱えているがためにばかばかしく危険な脆弱性が発見される。が、その対応は間違いなくプロプライエタリなメーカーとしては世界一 *1 のものだろう。実に情けない話ではあるが。

隠された脆弱性は、悪人に発見され悪用されるのが運命である。その隠された脆弱性を公表することは、 ACCS大活躍 により、犯罪とされ *2 誰も公表しなくなってしまった。

今、我々が利用している車、自転車、コンピュータ、家やカードやウェブサービス等々……隠された脆弱性が無いという保証はどこにも無い。企業倫理を信頼する以外の選択肢が奪われようとしてる昨今、市民としてやれることがまだまだあるのではないかと思うのである。Evolution 2000の脆弱性を勇気をもって公表した方々のように。

(@335)

2004年9月28日追記:

セキュリティホールmemoの追記 によると、このU字ロックは 交換が始まってる らしい。


*1: オープンソース・プロダクトはもっと真面目に対応してるけどね。
*2: いろいろ議論はあるところであろうが、逮捕にまで踏み切ったことでみな萎縮しているのは事実である。
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#1 メモリを食いつぶすcdrecord

どうも2.6カーネルのIDEドライバに不具合があるような気がする。cdrecordが2.6カーネルを前提にしてないせいかなあ。

と思って、 Linusの大嫌いなide-scsi を使ってみた。こいつはcdrecordのためにあるようなモジュールだし、うまくいくかもしれない。

案の定うまくいってる。音楽CDも焼けてるようだ。ふうむ、しばらくこれで凌ぐか。

(@069)

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2003年09月19日(金) [過去の今日]

#2 Swen.A

2年も前に発見されたセキュリティホールを付いたウィルスだと。なんでこんなのが今ごろ蔓延してるんだ……。

IPアドレスを利用するのに国際免許制を導入した方がいいんじゃないのか? この手のウィルスばらまいてるアドレスの所有者に罰則与える方向で。

(@324)

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#1 rootから/へのメッセージ

昨日、いい本に巡り合えた。 「rootから/へのメッセージ」 という本で、1986年からおよそ2年に渡ってUNIX MAGAZINEに連載していたものをまとめたものらしい。少々高かったのだが、うっかり古本屋にあったものを衝動買いしてしまった。でもその価値は十分にあった。これはいい本だ。発売されたのは1991年だそうだが、当時すでに 山形浩生氏による書評 が出ている。

1980年からUNIXのrootとして活躍した著者の苦労話やノウハウを、鉄道やラジコンやトンネルの例え話を上手に使って説明してるのが興味深い。が、それ以上に俺にとっては80年代のUNIXの状況が見えたのがおもしろかった。当時のUNIXは決して堅牢なものではなく、また一般ユーザーが動かしてるプロセスによってダウンさせられたりもよくしていたようだし、1億も2億もするワークステーションで、同時に立ち上げられるコンパイラのプロセスは3〜4個が限界などと書かれてたのも驚いた。PCの世界で言うなら486かその程度の処理能力だったんだろうか。冷静に考えれば当然かもしれないが、Celeron1.4GHzのLinuxマシンを常用してる自分がものすごく贅沢に感じてしまった。

特にrootとしての管理スタイルや工夫の数々は驚愕とも言うべきものだった。今でこそ1ユーザー1ホストが当り前だが、当時は1ホストに数十人規模のユーザが同時にログインしてるのが当り前だったというのは、以前から聞きかじってはいた。しかし、その運用ノウハウたるや技術のみならず政治的経済的な視野まで含めていく姿には、ただただ感嘆である。改めて「昔のrootはすごかったんだなあ」と実感させられた。こんな17年も昔の文書が、今の時代に生き生きと伝わるなんて、UNIX以外では考えられないんだろうなあ。とにかく名著である。

rootの在り方:

俺自身、7台のDebianホストのrootとして、時にはFreeBSDのホストのrootとして動いている。だが今のマシンは多数のユーザが常時ログインして作業するようなホストではないし、シェル操作をするユーザー自体も少ない。マシン自体も処理能力が高いので、そう簡単に過負荷状態にはならない。rootをやるのも楽になったもんだと思う。

今日になって「よしだともこのroot訪問記」の連載をちらりと見た。ずいぶん昔からある連載で、古いものはウェブで読めたので、UNIXをいじり始めた頃によく読んでいた記憶がある。だが、今の連載を見てみると、なんだか昔とはずいぶん違ってるように感じる。

昔はrootがどんな工夫をしてるか、どんな運用をしてるか、どんな苦労があったかというあたりがおもしろかったように思うのだが、今月号の グッデイ のroot訪問は、普通の会社訪問記事にしか見えなかった。考えたら当り前かもしれない。今のrootは多数のユーザーを抱えることはほとんど無いし、あったにしてもメールやウェブだけのユーザだから、昔のようなrootがrootらしい管理をすることも無くなっているのだろう。そしてUNIXやLinuxで仕事をする人間なら、たいていはroot作業もするだろう。会社ではしなくても、勉強と称して自宅にLinuxをインストールする姿はよく見受けられる光景だ。俺みたいな素人が7台ものホストのrootをやってるなんて、ちょっと前じゃ想像だにできかなった状況なのだろうなあ。

以前から言われているように、rootという神がいて、一般ユーザを管理してくれる、という状況はもう無くなったのだろう。その代わりさほど技術力も政治力も高くない人間がrootをやっている。この傾向はデスクトップ環境としてのUNIXが着目されるにつれ、より大きくなった。何も知らない人間がいきなりrootをしなくてはならなくて、そのための仕組みの整備が急務となっている。

さてはて、root作業が楽になることが、どういう影響を及ぼすのだろうか。ただでさえUNIXを使える人間が減っていると言われているのに。知らなくても使える時代の恐ろしさを、まだ誰も気づいてないのだろうか。

学ぶもの:

「rootから/へのメッセージ」の著者・高野豊氏は、奥付の略歴によると1948年生まれだそうである。ということは、現在55歳くらいか。我々の世代は、この世代のrootから学ばねばならない事が、もっとあるんじゃないだろうか。そう思う半面、この時代の事は参考程度にはなっても、もはや役に立たないのではないかという疑念もある。懐古趣味にならず、温故知新にするために、何か手前にワンステップが必要なのかもしれない。

(@191)

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2002年09月19日(木) [過去の今日]

#2 "にょろ"の扱いがおかしい

あー、それたぶん代表的なUnicode問題じゃないかしら? こちらの「変換表がベンダーによって異なる」 というページを見るとわかるけど、CP932というShift_JISの親分みたいな文字コードがあるんだけど、これとUnicodeの変換をした場合、「〜」がグリフは似てるけど別の文字に変換されてしまうみたい。俺もこないだCVS版のsambaを使った時、ファイル名に入ってた「〜」がおかしくなってびっくりした。このへんが落ち着くまではUnicodeは使えないなあと思う今日この頃。
……って、あれ? OSXはCP932使ってるのか? MSの文字コードなのに。
(@873)

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#1 ハマり続出

先日ISDNカードでハマった後、gimpでDTP的なことをしようとしてハマり、あきらめてWindowsで印刷しようとしたらプリンタ動かなくてハマり。細かいハマりは数え切れぬ程。
そして今日はシリアルコンソールでハマり。設定としては間違いないはずなのに、なんでかcu -l ttyS1してもconected..のままうんともすんとも言わん。くそう、どーしたもんだか。
(@734)

まだまだ続くハマり:

どうにもシリアルコンソールが動かないので物理的な部分を疑ってみることに。まずはと別のマシンに入ってたdebianで試すも状況変わらず。ついでなのでFreeBSDをインストールして試してみるかと思ったのだが、なんとインストール時にinodeが足りなくなってしまった。inodeについての知識があんまりないのもあって、唖然としてしまった。ふつーOSのフルインストールくらいで足りなくなるもんなのかー?
(@776)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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