2007年08月22日(水) [過去の今日]
#1 「田舎じゃ車が必需品」はどれだけ本当なのか
“生活保護受給者の自家用車所有、認めるべき” 住民グループが熊本市に申し入れ という記事。2chの反応見ても はてなブックマークの反応 見ても、けっこう「車なんて贅沢品」という意見が多い。
で、俺の意見としては必要。マジ必要。 市内ったって地方都市のはずれなら必要な場合もある。
なんでかっていうとそういうところはもう自家用車があるのが当たり前で、ろくすっぽ公共交通機関が無いから。
仕事をするにも車で通うのが当たり前で、18歳になったら親が背広を用意してやる程度には、教習所代と車を用意してやるなんてのは田舎じゃごく普通のこと。親も車与えとけばいつでも酔っ払ったとき送り迎えさせられるので、便利なんだよな。
そういう前提で作られてる社会と交通のところに、さあ車無しで生活しなさいと放り投げられるとひどい目にあう。
- 働き先が徒歩か自転車か電車で通える範囲に限られる
- 紹介してもらった職場が15km先の郊外にある工場で使えるバスがない
- 働くために保育園を探したら、空いてるところが職場と反対側に5km離れてる
- 家は親から受け継いだ持ち家で固定資産税だけで済むので公団や賃貸より安い(ので引っ越しはありえない)
- 近所のスーパーより郊外型大型店舗でまとめ買いしたほうが圧倒的に安い
こんなシチュエーションは田舎や地方都市のはじっこではよくあること。そして車を一度手放すと、もう一度手に入れるのはもの凄く大変。生活保護が必要な状況からもう一度車を買うまで復活するなんていったい何年かかるのか。ましてや上記のようなシチュエーションで車が無かったら、ますます困窮していくだけだろう。
なのでこんなのはケースを見て判断するしか無い。原則認めないというのでも構わないとは思うが、ケースによっては認めるというのは必要不可欠だろう。
生活保護は懲罰でもなんでもなく、生活を立て直すためのものなのだ。立て直す近道があるなら一時的に一般より豊かに見えるくらいはしょうがないと思う。
2ch界隈で問題になってる生活保護で悠々自適なんて暮らしがあるなら、それは別個に対応すべきで、全体の話と混ぜちゃいけない。本来本当に困ってる人のための公共サービスなのだから、きちんと活用して行った方が社会全体のためにもなるのだ。
(@597)