狐の王国


2007年07月29日() [過去の今日]

#1 リンク元へのコメントははてなブックマークで

前々からリンク元へのコメントを はてなブックマークにタグをつけて やってたのだが、あんまり気付いてもらえてないようだ。あまつさえ「言うだけ言って何の反応も受け取らない」とまで言われる事がある。もっとも、反応してくれた人に言われたことはないけども。

まあシステムの都合や管理コストの都合でコメントやトラックバックがついてないのは前々からどうにかしたかったのだが、まだなんともできてない。GPL版のMTが出るという話があるので、それを見て導入を検討してみようかとは思ってる。対立候補はbloxsom、ないし自前かな……。

しかし現状で1記事使って書く程の内容ある反応を返せる事も少ないし、結局はてなブックマークのコメントで、という形に行きついてる。俺としてはけっこう気に入ってるやり方なのだが、こういうことしてる人はそう多くないのだろうか?

とりあえず左上にリンクを作っておいたので、俺の記事にリンクしてくださってる記事とそれに対する俺のコメントが見たいという奇特な方は、どうぞご覧くださいな。

ちなみにリンク元全部をコレクションしてるわけじゃなく、なんらかのコメントがあるもの、記事単位のURI(parmlink)があるもの、というのが基準。基準によらず短い同意コメントのみとかparmlinkの場所がわかりにくいとかは入れないこともある。

(@594)

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#2 ソクラテスが伝えたかった「無知の知」の意味

どうも「無知の知」という言葉の意味を、単に「自分が無知だと自覚する」という程度に捉えてる人が多いようである。しかし、それは正しい理解だろうか?

「無知の知」は中学校の社会の教科書にも載ってるほど有名なソクラテスの言葉だが、その意味するところは絶望なのだと、俺は思う。

そもそも、この無知の知はプラトン著「ソクラテスの弁明」において語られる一節に由来がある。

ググったら Project Gutenberg 由来の ソクラテスの弁明 日本語訳 があった。ここから引用しよう。

しかし真実は、アテナイの人々よ、神様だけが知恵があるのです。そして神様の答えは、人間の知恵などほとんど価値がないかまるで無価値だということを示そうと言う意図であったのです。

「弁明」に描かれる事の経緯を簡単に説明するとこうだ。

ソクラテスの友人が、戯れにかなにか知らないが、神に問うた。「ソクラテスより知恵のあるものは誰か?」。神のお告げはこうだった。「ソクラテスより知恵のあるものはいない」。

その話を聞いたソクラテスは、神の託宣を疑問に思った。自分がそんな知恵者でも賢者でもないと思ってたし、周囲には自分より賢そうな、またそう自認しているソフィスト *1 や、政治家、職人、芸術家等々があふれていた。しかし、神様がウソ言うはずはなし。

ということでソクラテスは、彼らに直接話を聞きに行ったんだな。その内容は「弁明」に書いてなかったかもだが、だいたい「美とは何か?」とか「勇気とは何か?」みたいな感じに聞きに行くわけ。

そんなもの、どんだけ賢くてもぱっと答えられないでしょ。でも商売上「勇気を教える」とか「美を教える」とか言わないといけなかったのかもね。

その辺の矛盾をつっついて、ソクラテスは敵を多く作り、ついには死刑に処されるわけなんだけども、まあそれはおいとく。

世の賢そうにしてる奴らも、そんな賢いわけじゃない。結局人間は人間で、本当に知恵がある、「美とは何か」を知ってるのは神様だけなんだ。そういう人間が無知だということを、自分は気付いている。でもあいつらは気付いてない。

そしてソクラテスはそう考え、結論に至る。例の神様のご託宣は、そのことを言ってたんだと。

つまるところ、無知の知というのは、人間の知の限界を示したものなんだ。

だから俺は、無知の知という言葉に絶望を感じる。分をわきまえると言えば聞こえがいいが、やっぱり人間を熱くさせるのは限界への挑戦じゃないか。

確かに人間はまだまだ無知だ。だが目標として、進むべき道として、「全知」というそれこそ神の領域があるのは、決して悪くないと思うのだ。

人は知の泉に触れることで人となり、全知へ向かって歩もうとする動物なのだから。

(@608)


*1: 金を取って弁論術などを教えていた人。知者。
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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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