狐の王国


2005年10月28日(金) [過去の今日]

#2 預金者保護法

8月に成立してたのね、預金者保護法。ようするに暗証番号やキャッシュカードを盗まれたときに、損害を補償してくれるという法律なんだそうだ。

が、昨日のテレビの解説を拝聴していたところ、いささか驚かされた。国の機関に問い合わせて確認したそうだが、暗証番号が誕生日を逆から読んだ番号や、自分の名前を数字にもじった番号などなら、過失は無いとして全額補償されるのだという。

これは恐ろしい話であるし、このような情報をすんなり放送してしまうテレビ局自体にセキュリティ意識のかけらもないことがうかがえる。

ちょっと考えればわかることなのだが、大衆にこのような情報を与えれば、当然誕生日を逆にしたり自分の名前をもじったりした番号を暗証番号に使うパターンが多くなる。そうすれば犯罪者たちはカード、あるいはカード情報さえ盗みとれば、氏名や誕生日等の個人情報から暗証番号を推察できるという状況がますます増えるだけである。

補償されればいいという問題ではない。犯罪者に旨味を与えるようなことをすれば、ますます犯罪が増えるだけなのである。それは結局日本全体のためにならない。

せめて個人情報から推察可能な番号については補償半減くらいの措置はとって欲しい。

生体認証:

バイオメトリクス、生体認証を導入する向きもあるが、これが恐ろしいことだということに気づいてない人が多い。実際に生体認証を導入したドイツの高級車では、車が盗難にあうと同時に所有者も拉致され、最終的には認証に使う指紋だけあればよいとして腕を切り取られたという事件があった。

体を認証に使うということは、カードや情報ではなく体そのものが狙われるということなのである。今までは金銭的被害で済んでたものが、取り返しの付かない体の一部や命すらも奪われかねないのだ。安易に生体認証を導入してはならないのである。

もちろん、生きてない体では認証できない技術もあるにはあるが、それが周知されるだろうか? 一部でも生きてない体で認証できる機械があれば、それを狙って体を奪おうとする犯罪者は後を絶えないのではないか? また死体を生きてるかのように機械に見せる技術が出ないと誰が言える?

もう一度言う。安易に生体認証を導入してはいけない。

(@057)

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Sugano "狐志庵" Yoshihisa(E) @ 美紗緒ネットワーク <koshian@misao.gr.jp>
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