2007年06月13日(水) [過去の今日]
#3 F1 佐藤琢磨のすごさは、ブレーキとセッティング
カナダGPでの佐藤琢磨6位入賞は、見ていて大興奮だった。
スーパーアグリとホンダと佐藤琢磨という、日本チームが日本のエンジンで日本人ドライバーがポイントを取るというのはそれだけでも前代未聞で、6位入賞までやってのけたのは快挙と言う他無い。「健闘」などと簡単に言ってのけたフジTVの女子アナは腹を割って詫びるべきである。
日本は高度経済成長後、世界第2位の経済大国として、またそれを背景に世界中で日本人の活躍が見られている。特に自動車に関しては、日本車はひとつのブランドを確立するまでになった。
だが、それでもF1で勝った日本人はまだ誰一人としていないのである。エンジンだけならホンダが何度も優勝した事があるが、それももう過去の話だ。チームでもホンダが昨年39年ぶりに勝ったが、それもただのまぐれ、たまたま速い車が全部潰れただけである。ましてやレーサーとしてF1で勝てた日本人など皆無だ。
それだけF1というスポーツは難しいのだ。チームも、エンジンも、ドライバーも良くなくては勝てない。すべてを揃えた者だけが勝利を手にする。
日本人は「勝つ」ことに慣れすぎてしまったのかもしれない。だから6位程度じゃ、喜べないのだろうか。
実際、これほど難しい世界で、佐藤琢磨という才能あるレーサーをホンダが解雇しなくてはならない状況に追い込まれたとき、彼の現役続行のために急造されたスーパーアグリF1チームが、瞬く間にこれだけの成績を残せるようになったのは奇跡的な事だ。
このカナダGP、我々日本人にとって最大の見せ場となった、昨年の世界チャンピオンであり、現在最速のマクラーレン・メルセデスを駆るフェルナンド・アロンソを、佐藤琢磨がオーバーテイクするシーンがYouTubeにあがっていた。どこの局のものかわからないが、アップロードから3日たっても削除されてないようだし、おそらくYouTubeと提携した局の映像だろう。
このオーバーテイクシーンをよく見て欲しい。シルバーアローと呼ばれる銀色のカラーリングを施されたマクラーレン・メルセデス、そのスリップストリームから佐藤琢磨のSAF1が出た瞬間に注目してもらいたい。
気がついただろうか? スリップストリームから琢磨が出たとき、アロンソの横に「並べてない」のである。普通、スリップストリームに付いた後続マシンのほうが余力を残してるはずで、コーナー手前では真横に並ぶものだろう。それがスリップから出てもまだマシン半分ほど負けていて、まったく並べていない。
Yahoo! F1にあるスピードトラップ を見てみると、アロンソの最高速度は324.2km/h、対して琢磨は317.5km/hである。 今季のF1はエンジン開発が凍結され、19000rpmでリミットがかけられているため、各メーカーともさほどエンジンに差は無い。つまるところ、それだけSAF1のマシンが不安定で、最高速度を犠牲にしてでもウィングを立てないと走れないということなのだ。
この速度さにも関わらず琢磨がアロンソを抜けたのは、アロンソのタイヤがぼろぼろだったこともあろうが、何よりそのブレーキングの上手さだ。2004年のアメリカGPで佐藤琢磨が見せてくれたオーバーテイクショーでも、やはりブレーキングの上手さが際立っていた。並べてない相手もガツンとブレーキを踏んだ瞬間、後方にぶっ飛んでいく様は、見ていて非常に気持ちがいい。その時の映像もあった。
こちらなどちょうど1馬身まるまる後ろにいるのに、ブレーキを踏んだ途端に前に出ている。すばらしいの一言である。
また、BARホンダ時代もSAF1時代も、佐藤琢磨がいるチームはマシンがどんどんよくなる傾向にある。おそらく琢磨はデーモン・ヒルなどと同じく、テストドライバーとしても優秀なのだろう。開発能力も高いに違いない。琢磨が2003年にテストドライバーをしていたBARホンダは、2004年にトップ3入りするほどの活躍を見せた。逆にレギュラードライバーになったあと、前任の世界チャンプでもあるジャック・ヴィルヌーヴに付いてたメカニックチームを丸々引き継いだのだが、これが恐らくよくなかったのだろう。
ジャック・ヴィルヌーヴはBARではまったく自分の思いどおりの走りができてなかった。頭のいいレーサーだし、その後ザウバーに移籍した際は短期間とはいえきちんとマシンを前進させていた事から見ても、開発能力のあるレーサーのはずである。BARのジャックチームはそれを活かせてなかったとしか思えない。
そのチームを引き継いでしまった琢磨は、期待通りの成果を挙げることができなかった。2005年のBARから100%ホンダチームとなった時も、やはり沈み込んでいった。それが結局琢磨のキャリアに影を落すことになるのだが、考えようによればそのようなチームに長くいないほうがよかったのかもしれない。
現実に今、SAF1で琢磨は伸び伸びとレースをし、マシンを開発し、今では元いたホンダチームより常に前のポジションにいる。これも琢磨の開発能力の賜物だろう。
また、タイミングモニタを見ていると、カナダGPで琢磨は細かいミスを何度もしているのがわかる。そりゃあれだけ滑る路面だし、不安定なSAF1なのだから当然なのだが、すごいのはミスしても抜かれず、致命的なダメージを負ったりもしてない事だ。
これはミスが致命的にならないギリギリコントロール可能なところに、セッティングの妥協点を見つけてる証拠だと、俺は思う。最高速度などウィングを寝かせればすぐ出るし、実際トヨタ勢やルノー勢は最高速度だけならトップクラスなのである。だがラップタイムはさほど上がらない。要するにトヨタやルノーはセッティングに失敗してるのだ。
しかしSAF1と佐藤琢磨はきちんと高度な妥協点を見つけてる。これがセッティングが上手いと言わずしてなんと言おう。
佐藤琢磨のすごさは、ブレーキとセッティング、そして開発能力にあるのだと、俺は思うのである。
(@741)
#2 F1カナダGP 琢磨とSAF1は正しかった
琢磨6位 ワークス全盛のF1に一石投じた というレーシングドライバー片山右京の書いた記事。
個人的な見解だが、もしペナルティー覚悟で給油もやっていれば、ブルツの前でゴール、表彰台に上れていたかもしれない。あくまでタラレバなのだが、十分にあり得たと思う。
片山右京という俺の心のヒーローに対してケチを付ける気は更々無いのだが、これはさすがに無いと思う。
俺も一瞬そう思ったのだが、すぐ否定した。なぜならペナルティを食らったら、次のピットでタイヤを交換できなかったからだ。
「最後のセーフティーカー出動の時、ピットに戻ることにした。セーフティーカー先導下の数周をオプションタイヤで走ろうと思ったんだ。その後、まだセーフティーカーが出ている間にまたピットインして、プライムタイヤに換えた。おかげで他のドライバーたちがソフト寄りのタイヤで苦戦する中、僕は全力でプッシュできたんだ」
という佐藤琢磨のコメントが掲載されている。
今季のF1では、タイヤメーカーが用意した2種類のタイヤを2つとも、決勝レース中に1度は使わなくては行けないことになっている。妙なルールだが、タイヤメーカーのコストに配慮した結果だろう。
そして今回のカナダGPのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、公園の周回道路を利用したコースということもあり、ソフトなオプションタイヤではすぐダレてしまって速く走れない。
つまるところ、琢磨とスーパーアグリがあのピットでやるべきだったのは、すばやくタイヤだけ交換してセーフティカーの後ろに付き、まだセーフティカーが出てる間にもう1度ピットに入ってタイヤ交換と給油を済ませる、ということだったわけだ。
つまりやるべきことはやっていた、というわけである。いけなかったのは給油するしないで揉めてピットから出るのが遅くなった事だけだ。しかしそれもセーフティカー中にどのみちもう1ピット入らなくてはいけなかったのだから、大きなロスでは無かったのかもしれない。
しかし実にわかりにくいルールである。セーフティカーが入ったら給油してはいけないと一言で言うと簡単だが、実際にあったようにセーフティカーが出る直前にピットに入ったらそれは給油してはいけないのかとか、具体的なタイミングがさっぱり見えない。こういうルールはレースを惑わせ、観客の混乱を招く、最悪のルールだろう。
思い切って給油を禁止してしまった方がいいのかもしれない。軽い方が有利なのだから、燃費も改善されるのではないか?
#1 C言語のポインタが難しくて挫折した経験
プログラマーになれる人なれない人 という記事を読んでて、ポインタと再帰が難しいという話が出てきた。
俺が昔、プログラミングができなかった頃、C言語にチャレンジして挫折したのは、やはりポインタだった。
解説書を読み、「ポインタはデータのメモリアドレスが参照できるもの」みたいな説明を読んでああなるほどね、と簡単に理解した。プログラミングができないとはいっても、BASICでゲームを作って遊んでた事はあるし、マシン語でメモリの特定番地から何バイトデータをもってくるみたいな事はやってたから、別にメモリアドレス云々はすぐ理解できた。
が、俺はここで悩み込んでしまった。みんなポインタは難しいって言ってる。理解できないって言ってる。俺はポインタをメモリ番地だと理解したけど、それで合ってるのか? メモリアドレス以外の何かがあるのか? もしかして俺はとんでもない勘違いをしてるのか? どういうことなんだ? わからない、ポインタってなんなんだ!
その後、perlでreferenceという概念に出会い、それと同じようなものかと思ったのだが、C言語を理解してる友人には違うものだと言われた。もうさっぱりわからない。
結局いまだにCを使う機会もなく、ポインタという概念を本当に俺が理解してるのかもよくわからない。OpenSSLのソースを追っかけてて、ポインタの参照先が関数になってたりしてるのを見て、いろんな使い方ができるもんだなあと感心した程度。PerlやJavaScriptでも変数に関数を放りこんだりはできるし、そのメモリ番地にロードされてるものがデータかプログラムかなんてたいした違いでも無いだろうから、別にそのへんは不思議に思ったりはしないけども。
とりあえず俺はいま、スクリプトを書いてお金を頂くようになったけども、プログラマに向いてるのかどうか、プログラマになれているのかどうかはよくわからない。Cを書くことがこれからあるのか、それもわからない。
ただ、これからもキーボードを叩いて生きて行きたいと思っている。
(@083)
2006年06月13日(火) [過去の今日]
#3 Cannaのmisaoといえば
美紗緒辞書 、といいたいところなんだが、 MOEPANDA diary の指摘によれば、Cannaのmisaoと言えば 三竿さん の事だろうと。
確かにCanna論文の執筆者をさしおいてmisaoという名称を使うのはためらわれるなあ……。知らなかったとはいえ、いやむしろ知らなかったこと自体が、申し訳無いです……。
(@013)
@ 16日追記:
ぎゃあ、 論文執筆しただけじゃなくて開発者の一人 ですか(汗)。まあ、考えたらそうですよねえ。開発してなくて論文だけってのもこういう場合考えにくいだろうし……。
ああ、なんか多重にお恥ずかしい&&申し訳無い……
(@614)
#2 国内の著作権侵害と思しき事例は広告に多し?
#1 防犯カメラにプライバシー保護は無し
小鳥ピヨピヨ でハッケソした 松本人志が写真週刊誌を訴えた「本当の理由」 という記事を見た。
どうも防犯カメラの映像を売った奴がいたそうで。要するに防犯カメラの映像を見て誰かが楽しんだり金を儲けたりしても罰則規定が無いってことだよね。
日本という国のダメさ加減が日に日に見えて来る今日この頃……。
(@000)
2005年06月13日(月) [過去の今日]
カカクメソッド の追従例と思われてたOZmailだが、きちんと説明会を開催したようだ。えらいじゃん。
てことでやはりSQLインジェクションですか。どうやら大規模なウェブアプリケーションのようで、その部分を書いたプログラマが素人だったか寝ぼけてたんだろうな。
よくある誤解の一つに「ハッカーはなんでもできる」とか言うのがある。この文脈でハッカーと言ったら、侵入者のこと *1 だわね。ケビン・ミトニック氏あたりは逮捕されたとき、電話一本で核ミサイルを発射できるんじゃないかと思われて厳重に監視されたとか言ってたけど、いくらなんでもそれはむちゃな話。
たいていの侵入者は、既出のセキュリティホールを突いて来るか、管理の甘いアカウントのパスワードを推測したり総当たりで試したりして侵入する。だからきちんとパッチを当てて、アカウント管理を真面目にやっておけば通常は問題無い。問題なのは0day attackと呼ばれる、侵入者に先にセキュリティホールを見付けられてしまうパターン。これはもうどうしようもない。なんとか先に見付けられるように頑張るしか無い。企業ならば定期的に侵入テストをするなどしておくべきかもしれない。
結局なんでもできるとか、狙われたらなにしてても無駄とか、そんなことは無いわけで、相手も人間ということ。セキュリティホール探し競争に負けたら侵入されるというだけで、勝てば問題無い。企業のリソースを使えば個人やコミュニティレベルの侵入者にそうそう負けることはあるまい。
そういう意味でも、 侵入された企業のほうが被害者だ という主張こそ無教養としか言いようがあるまい。勝てる勝負で負けて、顧客に被害をもたらしたのはその企業自身なのだから。
@ 侵入テスト:
世の中には好き者ってのはいるもんで、人様の作ったソフトの穴探しが趣味という人もけっこういたりはする。せっかくだからそういう人達に活躍の場を与えてあげればどうだろうか。
まず侵入テストを行う旨を通知し、侵入者役の人間を募集する。機密保持契約を結んだ上で実際に侵入を試してもらい、セキュリティホールを見付けた分だけ出来高で報酬を払う。
こういう事を実際にやるコストというのは、技術者を雇ってセキュリティホール探しをさせておくよりずっと安いだろうし、ぜひやってもらいたいなと思うのだがどうだろうか。
(@599)
2004年06月13日(日) [過去の今日]
うーん、と考え込まされた。俺は自衛隊派遣に関してはどんどんやれと思ってる方だが、こうも不自由では自衛官たちの命が危ないし、そもそも真っ当な活動もままならん。
やはりああいうアホな政治家しかいない日本の民主主義に欠陥があるとしか思えんなあ。政治家がアホだということは、国民がアホだということ、それが民主主義というものなわけだが、はてさて。
(@461)
#1 ル・マン24時間レース
2002年06月13日(木) [過去の今日]
#2 日本語
たまたま
./-j の古い記事を探していたら、日本語の変換の話が出てるストーリーがあった(ちょっとURIは紛失)。「いれたてのおちゃ」の変換として、「淹れたてのお茶」が正しいのか、「入れ立てのお茶」が正しいのか、「入れたてのお茶」が正しいのか、という話題。良く分からないので、Cannaには「淹れたてだ」を形容動詞として登録。
ちょうどいいタイミングで、チャットでも某サイトに「舌ずつみ」などと書いてあったという話題。一瞬考え込んでしまったが、「舌鼓」のことだったらしい。「ず」と「づ」の違いなんだが……。ついでに「舌鼓を鬱」などと変換しやがるので、Cannaに「舌鼓を打つ(したづつみをうつ)」という動詞を登録。1単語として認識するので必ずこれで変換される。同様の手段として「貴社の記者が汽車で帰社する」も1単語の動詞として登録してあったりする。CMで話題になった「本日開店」も1単語にしておけば問題ない。
使い込めば使い込む程馬鹿になる商用IMより、鍛え上げたCannaのほうが断然賢いと思う今日この頃。
(@492)
@ もっとも:
この日記は基本的に校正してないので、似たようなミスはいくらでもあるかもしれない(笑) (@499)
#1 サボり
2001年06月13日(水) [過去の今日]
#4 メモリ
不良のでたメモリは交換してもらったわけだが、次のメモリが買えない。こういう売れまくってるときには不良に当たる可能性が高まるので、ちょっと相性保証がないと怖いのだが、庶民的な店で相性保証があるのは1店舗しか知らないんだな、これが。
淳 とかは高い店で買えよくらいのノリだけど、そんなんだったらとっくに買ってるわけで、今の値段だから買えるわけで、うーむ。
(@641)
うちもカウンター付けてないけど、単にめんどくさいだけだったり(笑)
前はけっこう数字が増えるとうれしかったりして、なんとなく付けてたなあ。人が来てくれてるという証拠が、トップページにババンとあるのは、孤独にHTML書いてる人から見ると、なんか安心できるんだよね。一人じゃないんだなと確認できるというか。
というか、こそこそ隠れてカウンタとかアクセス解析とか付けてるのもなんとなくイヤゲだなあ(笑) HNSも実はアクセス解析付いてて、たまに見てるんだけど、公開できないのかしら、これ。80%くらい検索エンジンのボットだけどね(笑)
(@893)